株式会社メトラン

当社は、「助けられる命をすべて救いたい」という創業者の信念のもと、高頻度振動換気（HFO）人工呼吸器の商品化に成功した医療機器メーカーです。1分間に900回という細かい振動で空気を送り込む特殊な技術で新生児の肺の負担軽減を可能にした新生児用人工呼吸器「ハミング」シリーズなど、医療現場からのご要望や必要性に対して常に最新技術で応えながら、人工呼吸器を開発・製造してきました。新生児用人工呼吸器は、1984年に米国国立衛生研究所（NIH）のHFO人工呼吸器コンペで優勝して以来、国際的にも圧倒的な信頼を得ており、国内の新生児集中治療室の約9割が当社製品を使用しています。海外では新生児や未熟児の命が危険にさらされるケースも少なくなく、そのような命を救うべく海外への販路開拓に取り組んでいます。新たな国への進出に際して、海外事情や医療機器に明るい方からの支援をいただきたいと思い、新輸出大国コンソーシアム事業に2020年度に応募しました。

国によって人工呼吸器に対する知識や医療機器の販売手法が異なり、加えて医療機器ゆえに各国の法規制に対応していくことはとても骨が折れました。例えばEUでは欧州の安全基準条件に適合しているCEマークは必須で、その取得に1年半を要しました。医療機器に詳しいハンズオン支援の専門家にサポートいただきながら、各国の市場特性への理解を深め、日本の薬事承認があれば参入できる国もあるアジアを対象地域とし、インドネシア、ベトナム、インド向けにはEPAも活用して進めました。当社製は性能や耐久性に優れている分、価格が高く、海外での価格設定が一番の悩みの種でした。ハンズオン支援の専門家と共に事前に入念な市場調査を行い、各国ごとに特別価格を提供。また価格競争に陥ることのないよう当社製品の差別化ポイントや優位性について、現地代理店と協力しながら直接エンドユーザーにデモ機を用いて営業活動を行うことで課題克服に努めました。