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株式会社EMAJINY

幼い頃から憧れだった海外。現地でのネットワークが徐々に広がっています

2017年10月にバルセロナで開催された日本のポップカルチャーイベントに参加。海外市場を調査し、海外へ進出する計画を本格的にスタート。2018年8月、香港の芸能事務所のネットワークを通じてプロモーションを実施し、輸出・販売を開始

福岡県北九州市ウェブサイト

展開国・地域：: 2018年香港
事業内容：: カラーワックス・カラージャムなど整髪料の開発・製造（OEM委託）・販売／カラーワックスの輸出・販売

代表取締役服部茂幸氏

同じ境遇の人を救うため商品開発を始める

おしゃれを兼ねた白髪染めのために定期的に美容室でヘアカラーを楽しんでいたところ、悲劇は突然起きました。塗料に使用されている薬品にアレルギー反応を起こし、全身に発疹が出たのです。医師からはもう髪を染めることはできないと言われました。調べたところ、私と同じような症例は毎年250ほど報告があるそうです。きっと報告がないものを含めると、毎年1,000人ほどは、髪を染めたくても染められずにおしゃれを楽しめていないのではと思いました。そこで、自分や同じような境遇の人たちを救うために、この会社を設立し、安全なヘアカラーワックスの開発・販売を始めました。理容組合と連携して、ヘアカラーワックスを使ったコンテストの開催や、キッズダンサーへの積極的な販促など国内では一定の需要がありました。そこで、設立時から見据えていた海外進出を決めて、さっそく動き出したのです。

香港へ輸出された主力商品のヘアカラーワックス。5色を混ぜ合わせることで、どんな色でも実現する

海外での勝機をつかみ課題も明確に

2017年10月、バルセロナに住む知人から連絡がありました。現地で開催される日本カルチャーのフェスティバルで、参加者にサンプルを配ったらどうかとの助言を受けました。そこで、日本の漫画をモチーフにコスプレをする外国人にワックスを体験してもらうことにしました。結果は「髪色をキャラクターに近づけられる」と大好評で、海外での市場を実感できました。同時に、欧州の人々の髪質、日本人とは違った色の見え方など、課題も出てきました。海外への販促やPRなど、知らないことが多かったためジェトロに相談しました。ジェトロの専門家による「海外展開戦略策定支援」を利用し、専門家から海外展開を進める上での留意点を細かく教えてもらいました。次は日本人と髪質が近いアジアに目を向けました。2018年夏、香港の知人のネットワークで知り合った芸能事務所が興味を示し、輸出に至りました。香港に出向き、芸能関係者に向けて使用している姿を見せると驚いていたのが印象的でした。

2018年12月に香港で開催されたヘアメイクコンテストにゲストとして呼ばれ、10分間で3名のモデルの髪色を変えるエキシビジョンステージを披露

ヘアメイクコンテストでは主催者から感謝記念品を受け取り、インタビューにも応えた

現地のネットワークを活用しさらに新しいことを

海外進出へのメリットは「海外で受け入れられた商品」として価値が上がることです。また、カラーワックスは今注目され始めているので、国内での市場に他社からの参入があった場合、海外に販路を持っていることはリスクヘッジにもなります。ジェトロは中国で商標を取るために香港の弁護士を紹介してくれました。そこから福岡県庁の香港事務所の方や現地のビジネスマン、化粧品情報サイトの運営者、現地で日本のファッション誌のライセンスを持つ担当者など、いろんなネットワークが広がり、日本では絶対に会えない人とのつながりができました。その巡り合わせはジェトロが生み出してくれたものです。現地で出会った人と共同で、新しい事業や商品など何か新しくて面白いことを発信しようと考えています。チャンスを求めて海外に来たら、いつの間にか新しい事業が始まろうとしている。さらにいろんな国にコミュニティーを作りたいと考えています。

専門家からのポイント

服部代表取締役自ら海外（中国・香港など）へ足を運び、現地の状況を把握するとともに、既存の海外向け商社からも提案を受けました。全体的な日本製品の中華圏でのマーケティング事情や、商社からの提案の判断基準をお持ちでなかったため、それらの部分について具体的な事例を含めアドバイスをしました。例えば越境ECマーケットの進出方法、SNSなどの販促手法、CFDA許認可取得によるマーケティングメリット、日本国内で行われるインバウンド向け展示会などです。実際にもインバウンド向け展示会にチャレンジされ手応えを感じていただきました。