スリランカ産業・起業家開発相が鉱物資源政策を紹介、日本企業に投資呼びかけ
(スリランカ、日本)
調査部アジア大洋州課
2026年11月02日
ジェトロは10月14日、スリランカのスニル・ハンドゥネティ産業・起業家開発相の来日に合わせ、「スリランカ鉱物資源セミナー」を東京で開催し、約80人が参加した。セミナーでは、スリランカ政府関係機関などが同国の鉱物資源や投資環境、日本企業との連携可能性について紹介した。
奥村明子理事(左から4人目)、ハンドゥネティ産業・起業家開発相(同5人目)、クマーラシンハ大使(同6人目)、大東道郎副理事長(同7人目)(ジェトロ撮影)
冒頭にあいさつしたジェトロの奥村明子理事は、スリランカが高純度の塊状黒鉛や石英などの鉱物資源を有する重要なパートナーであると述べ、先端素材や半導体分野での連携拡大に期待を示した。続いて駐日スリランカ大使のピビトゥル・ジャナック・クマーラシンハ氏は、鉱物資源の輸出にとどまらず、国内での加工や高付加価値化を担う産業を育成する政府の方針を説明し、日本企業に投資を呼びかけた。続いて、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の大東道郎副理事長は、鉱物資源の安定供給に向け、供給源の多様化や透明性の高い事業運営、政府・企業・地域社会との信頼関係構築が重要だと指摘し、JOGMECが各国政府との対話や情報共有、地質調査、技術協力、金融支援などを通じ、日本企業を後押しする考えを示した。
基調講演に登壇したハンドゥネティ産業・起業家開発相は、輸出志向型経済の実現に向けて2030年までに輸出額360億ドルを目指していると説明した上で、鉱物資源を国内で加工・高付加価値化し、先端製品として世界へ輸出する方針を示した。日本企業に対しては、鉱物処理・選鉱、高純度黒鉛・先端材料、研究開発・技術移転、試験・認証などの分野への投資や、合弁事業への参画を呼びかけた。続いて、同省のG.P.N.M.アベイセカラ次官補の講演では、「国家鉱物政策2026 (National Mineral Policy 2026
)」の説明があった。同政策では、許認可手続きの透明性・予見可能性の向上を通じて海外からの投資を呼び込むとしており、黒鉛、砂状鉱物、石英脈に関する具体的な投資候補プロジェクトも紹介された。
そのほか、ジェトロ・コロンボ事務所の志鎌大介所長が、スリランカの経済概況について説明し、ジェトロの調査レポート「南西アジアグローバル展開可能性調査‐黒鉛産出国としてのスリランカのグローバルプレゼンスや市場可能性‐(2025年3月)」や、2027年1月のスリランカ・エキスポ2027
に合わせて実施予定のスリランカ投資ミッション(申し込み締め切り:12月2日)を紹介し、日本企業に参加を呼びかけた。続いて、スリランカ地質調査・鉱山局(GSMB)のC. Geol. N.W.A.M.M.K.N.バンダラ局長が同国の鉱物資源と資源量把握の課題を、長岡技術科学大学特命副学長の中山忠親博士が同国の鉱物の電池や半導体、磁石などへの活用可能性をそれぞれ説明した。
プログラムの最後には、スリランカ企業10社による企業ピッチが行われた。各社は黒鉛、鉱物砂、石英などの鉱物資源事業や投資計画を紹介し、日本企業に対して貿易パートナー、投資家、技術提携先としての連携を呼びかけた。
(小柴里沙)
(スリランカ、日本)
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