インド南部チェンナイで風力発電展示会が開催、中国企業の存在感拡大
(インド、中国)
チェンナイ発
2026年11月02日
インド風力タービン製造者協会(IWTMA)は10月7~9日、南部タミル・ナドゥ(TN)州チェンナイで風力発電分野の国際展示会・会議「Windergy India 2026」を開催した。
会場には20を超える国々から約350社が出展した。ドイツ、スペイン、デンマークはナショナルパビリオンを設置し、それぞれ10社、14社、17社が出展した。各国とも前年よりパビリオン規模を拡大しており、多くの来場者を集めていた。
ドイツ(左)とスペイン(右)のナショナルパビリオン(ともにジェトロ撮影)
展示会全体でも、前年よりブース規模を拡大した企業が目立った。特に中国企業の存在感の高まりが顕著で、風力発電設備メーカーに加え、部材、電装品、自動化設備メーカーなどが多数出展した。中には大規模ブースを構え、15人以上の中国人説明員を配置する企業もみられた。会場で取材した業界関係者によると、「中国の風力発電業界では過剰投資を背景に価格競争が激化しており、国内市場より収益性や契約条件の良い海外市場への展開を進めている」という。特に風力発電市場の拡大が続くインド市場への関心は高いとの声が聞かれた。
一方、展示内容からは、インド市場が風力発電設備メーカー中心から、部材、物流、据え付け、保守、監視システムなどを含む産業エコシステムへ発展しつつあることが確認された。インドのO&M(運用・保守)企業パワーコンは、再生可能エネルギー発電所向け監視ソフトウエアを提供するバックス・エナジーとの協業を約15年間継続している。バックス・エナジーは、現在、横河電機グループ傘下にあり、展示ブースではパワーコンとともに横河電機の社名が大きく掲示されていた。また、パワーコンは、「風力発電向け物流事業について日系物流企業とも意見交換を始めている」と語った。
日系企業の出展は限定的であった。芝浦機械は4年連続の出展で、同社によると、「インドでは依然として輸入部材を組み立てる工程が中心であり、大型部品の加工を行う企業は限られるものの、今後の市場拡大に伴う工作機械需要の増加を期待している」という。なお、同社はチェンナイに射出成形機の製造拠点を有するが、風力発電関連業界向けの工作機械事業は別部門が担当している。また、NOFメタルコーティングスは、インド代理店の出展に合わせて技術支援のため参加していた。このほか、日系のつり上げ・搬送機器メーカーなどの出展もみられた。
日系企業などの出展風景(ともにジェトロ撮影)
今回の展示会では、中国企業による積極的な市場開拓と欧州各国による組織的な企業支援が目立った一方、日系企業の出展は限定的だった。他方、風力発電市場の拡大に伴い、物流、保守、監視システム、工作機械、表面処理など周辺分野の需要拡大も見込まれており、日本企業にとっては風力産業エコシステムを構成する各分野で事業機会が広がっている。
(藤井芳彦)
(インド、中国)
ビジネス短信 2910b30de84f2a4d




