フィンテック分野の展望を議論、ウズベキスタン中銀主催フォーラム
(ウズベキスタン)
タシケント発
2026年09月01日
「シルクロード金融・技術フォーラム」が8月24日から26日、ウズベキスタンの首都タシケントで開催された。同国中央銀行とシンガポールのグローバル・ファイナンス&テクノロジー・ネットワーク(GFTN)が主催した。世界74カ国から6,000人以上が参加した。同国のフィンテック分野の2030年までの展望が主要テーマとして議論された。
フォーラム開会式でウズベキスタンのジャムシド・クチカロフ副首相は、近代的で競争力があり、かつ包摂的な金融システムの構築が国内の構造改革の重要な目標の1つであると述べた。
ウズベキスタン中央銀行のティムール・イシメトフ総裁は、2026年から2030年までの国家フィンテック戦略を発表した。同戦略では、2030年までに、ウズベキスタンを中央アジアにおけるフィンテック・イノベーションと投資の地域ハブへと発展させ、世界の大規模資本をこの分野へ呼び込むことを目指す。
フォーラムの主な議題は、オープンバンキング(注)、デジタル資産およびステーブルコイン、越境決済、イスラム金融、イノベーションと投資だった。
イシメトフ総裁は、2028~2029年ごろに計画されているオープンバンキングの導入が実現すると、国内のフィンテック企業は自社のソリューションを携えて従来の銀行市場へ参入できるようになり、既存の銀行サービスとの競争が促進されるとそのメリットを訴えた。
デジタル資産については、イシメトフ総裁は中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する調査資料を公表する予定だと発表した。同文書では、想定されるユースケースや金融システムへの影響評価が盛り込まれ、その結果を踏まえてデジタル通貨の実証実験が開始される見通しだと述べた。
越境決済もフォーラムにおける重要な議題の1つとなった。国内決済はほぼ即時に処理される一方で、国際送金は速度や利便性の面で依然として大きく遅れていることが課題として認識されている。参加者らは、中央アジア諸国の国家決済システムを相互接続する可能性について議論した。これに関連して、同フォーラム期間中、ウズベキスタンのフィンテック企業オソンと、中国IT大手テンセント傘下のテンペイ・グローバルとの間で、中国と中央アジア諸国間の越境送金および決済の簡素化に向けた協力協定が締結された(「Kapital.uz」8月25日)。
イスラム金融では、2026年にウズベキスタンで導入された新たなイスラム銀行制度の法的枠組みを活用し、同国をイスラム諸国から中央アジアへの投資を呼び込むデジタル金融ハブとして発展させる可能性が議論された。
(注)利用者の同意のもとで金融データを外部のフィンテック企業などに共有することで新サービスの創出を促す仕組み。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン)
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