日本格付研究所、インドの長期発行体格付けを「A-」へ引き上げ
(インド、日本)
調査部アジア大洋州課
2026年09月04日
日本格付研究所(JCR)は9月2日、インドの長期発行体格付け(外貨建て・自国通貨建て)を、2007年以来維持してきた「BBB+」から約19年ぶりに1段階引き上げ「A-」とし、見通しは「安定的」とした。また、インド企業や金融機関に適用されるカントリーシーリングについても、1段階引き上げて「A」とした。
JCRは格上げの理由として、インド経済が個人消費と公共投資に支えられ、近年約7%の高成長を維持していることを挙げた。政府によるデジタル公共インフラの整備や物品・サービス税(GST)の活用(税率変更)など、生産性向上や経済発展に資する政策の効果も評価した。さらに、銀行部門の不良債権処理比率の低下やノンバンク部門の財務基盤の改善などを背景に、金融システムの健全性が大きく向上したことも格上げの要因としている。
JCRはまた、政府支出の質が改善している点にも言及した。中央政府の財政赤字は、2024年度(2024年4月~2025年3月)のGDP比4.7%から2025年度には4.4%へ縮小した。一方で、インフラ整備などを中心とする資本的支出は高水準を維持しており、中長期的な成長力向上につながると評価した。他方で、連邦制の下で州政府を含めた一般政府債務の水準は依然として高く、州間格差是正のための財政移転や選挙を意識した財政運営などが財政健全化の制約要因になっていると指摘した。
今回の格上げにより、インド企業や金融機関の対外的な信用評価にも追い風になる可能性がある。格付け会社による評価は各社で異なるものの、近年はS&Pグローバル・レーティングや日本の格付投資情報センター(R&I)なども相次いでインドの格付けを引き上げており、インドの高成長と構造改革に対する国際的な評価の高まりを示す動きとして注目される。
(黒田将司)
(インド、日本)
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