吉林省4市が国家水素実証事業に参画、長江デルタとの需給連携目指す

(中国)

大連発

2026年09月01日

吉林省の長春市、四平市、松原市、白城市は、中国の工業情報化部、財政部、国家発展改革委員会が8月15日に発表した、「京津冀(北京市・天津市・河北省)など5つの都市群による水素エネルギー総合応用実証事業の実施を承認することに関する通知」に挙げられた事業の一環である「東北(内モンゴル自治区東部を含む)~長江デルタ」事業の水素実証都市群構成都市として参画する。同都市群は、吉林省を含む東北地域のグリーン水素、グリーンアンモニア、グリーンメタノールの供給能力と、長江デルタ地域の需要を結びつける。吉林省はグリーン水素の製造能力を拡大するとともに、グリーンアンモニアやグリーンメタノールの供給体制と地域間輸送網を整備し、長江デルタ地域の製造業や海運業の脱炭素需要に対応する。2030年までに同省を主要なグリーン液体燃料供給拠点とすることを目指す。

今回選定されたのは、同都市群のほか、「京津冀」「広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)」「新疆ウイグル自治区~成都・重慶地区双城経済圏」「黄河湾曲部~中原」の計5都市群である。実施期間は4年間で、中央財政による奨励金は1都市群当たりで最大16億元(約384億円、1元=約24円)とされる。

吉林省では近年、大規模なグリーン水素・グリーンアンモニア・グリーンメタノール製造プロジェクトが立ち上がり、成果を上げている。2025年7月には「洮南風力発電由来グリーン水素・バイオマスグリーンメタノール一体化モデルプロジェクト」が操業を開始し、中国初の大規模生産を実現した。また、2025年10月には「大安風力・太陽光・グリーン水素製造・合成アンモニア一体化モデルプロジェクト」が世界初のグリーンアンモニア認証を取得した。同省によると、2025年末時点で同省のグリーン水素の年間生産能力は8万6,700トン、グリーンアンモニアとグリーンメタノールの年間生産能力は合計43万トンに達する。産業への活用では、中国中車(CRRC)傘下で中国最大級の鉄道車両メーカーの中車長春軌道客車(中車長客、注)が水素エネルギー観光列車「氫春号」および「氫源号」を開発している。

実証都市群に参画する4市のうち、白城市と松原市は、風力・太陽光発電由来のグリーン水素、グリーンアンモニア、グリーンメタノールの製造、四平市はゼロカーボン産業園区の整備とグリーン水素の域内利用・産業実証、長春市は水素関連設備の研究開発・製造と多分野での実証をそれぞれ推進する。

(注)吉林省長春市に本社を置き、高速鉄道車両や地下鉄車両などの研究開発・製造を手掛ける。中国高速鉄道「復興号」の主要製造拠点の1つ。

(李莉)

(中国)

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