工業情報化部、15次5カ年規画の取り組みを説明、各分野でのAI活用や新エネ車の品質向上に取り組む
(中国)
北京発
2026年09月02日
中国工業情報化部は8月26日、第15次5カ年規画(2026~2030年)における工業分野の取り組みに関して記者会見を行った。
人工知能(AI)産業に関しては、引き続き応用によって技術革新や産業発展をもたらし、エコシステムの構築、安全性に関するガバナンスや開放的な協力を深化させ、AIの製造業への導入を加速し、高度化し、成果を得るとした。供給面では、ハイエンドなAIトレーニング用チップやマルチモーダル(テキストや音声、画像など複数の異なる種類のデータ)アルゴリズムなどの重要技術の研究開発を支援し、脳型AIや世界モデル(AIが物理環境や物体の動きを予測・再現するための基盤技術)などの最先端技術の課題解決に取り組み、人型ロボットやブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI、注1)などのスマート端末の進化を推進するとともに、鉱山機械、農業機械、医療機器などでスマート製品を開発するとした。
AIの応用については、サービスプロバイダーを育成し、低コストで活用しやすい業界別のソリューションを開発するとした。このほか、ハイレベルなオープンソースコミュニティーを基盤としたAI+製造の優良プロジェクトの創出や共通基盤、応用、安全倫理などの標準の策定・活用を進めるとした。AI端末製品のリストを策定することも表明した。なお、AIについては、情報通信産業、材料の研究開発や生産技術における応用、ソフトウエア開発など多方面で活用していくとしている(注2)。
新エネ車の非理性的競争に伴う品質・安全問題を重視
新エネルギー自動車に関しては、産業規模の拡大や技術力、国際競争力の向上を評価しつつ、非理性的な競争が依然として大きな課題であると指摘した。具体的には、「革新的な設計」が十分な試験を経ずに車両に応用されることによって製品の品質や自動運転の安全に関する事故を引き起こしていると指摘した。その上で、こうした問題は「15・5」(第15次5カ年規画)期間内に解決すべき重要な問題であると位置づけた。
製品の品質向上へ向けた対応としては、動力電池の低温下での適応性や耐久性の向上、自動運転の安全性や信頼性の向上に取り組み、製品の品質の最低ラインを厳守するとした(注3)。製品の革新的設計については、参入審査や試験証の管理を強化し、十分な試験認証を経ていない製品の市場参入は厳禁するとした。スマートコネクテッドカーについては、参入許可や路上走行および「車路雲(車両と道路とクラウド)」の一体化のトライアルなどをさらに推進するとした。
(注1)人間の脳と外界(外部機器など)との間で情報の直接的な入出力を可能とする技術。
(注2)工業情報化部によると、現時点の中国の一定規模以上の製造業企業におけるAI技術応用普及率は30%を超えている。
(注3)工業情報化部など4部門は8月21日付の通知において、乗用車などの車両の生産企業や製品を対象に、生産の一致性、信頼性、耐久性、新技術の試験認証などについて、同日から1年間、抜き打ち検査などを伴う品質向上特別キャンペーンを実施すると発表した。
(小宮昇平)
(中国)
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