インドネシア、エルニーニョ現象「非常に強い」水準に、干ばつや森林・土地火災、農業などへの影響を警戒
(インドネシア)
ジャカルタ発
2026年09月04日
インドネシアでは、エルニーニョ現象(注)の強まりを受け、降雨量の減少やそれに伴う干ばつなどへの警戒が高まっている。
気象気候地球物理庁(BMKG)のテウク・ファイサル・ファタニ長官は8月4日、国家開発企画庁(BAPPENAS)がジャカルタで開催した討論会で、エルニーニョ現象が「強い」水準にあり、「非常に強い」水準に発達する可能性があると説明した(8月4日付「コンパス」)。その後、BMKGは8月21日、エルニーニョが「非常に強い」水準に達したと発表した(8月21付「BMKG週刊予報
」)。さらに8月31日、非常に強いエルニーニョなどの影響により、スマトラ島南部、ジャワ島、バリ島、ヌサトゥンガラなどでは、9月中旬にかけて降水量の少ない状態が続くと予測した(8月31日付「BMKG週間予報
」)。
BMKGは、エルニーニョによる降雨量の減少に伴い、干ばつや森林・土地火災のリスクが高まるほか、農業や生活用水、灌漑などにも影響が及ぶ可能性があるとして、警戒を呼びかけている(7月28日付「BMKGプレスリリース
」)。
過去にも、エルニーニョ現象はインドネシアに深刻な被害をもたらしている。現地メディアのテンポによると、2015年には大規模な森林・土地火災が発生し、インドネシア全土で260万ヘクタール以上が焼失した。火災による経済損失は160億ドルに達したとみられている(5月15日付「テンポ」)。また、ボゴール農科大学(IPB)農学部のドウィ・アンドレアス・サントサ教授は、エルニーニョ現象によって干ばつが深刻化した場合、コメの生産量が約3~5%減少する可能性があると指摘している(8月14日付「リパブリカ」)。
中部ジャワ州では、2026年1月1日から8月23日までに発生した森林・土地火災が232件に上り、前年同期比で約8倍に増加したとの報道もある(8月24日付「コンパス」)。今後、エルニーニョ現象の影響により乾燥した気候が長期化すれば、森林・土地火災のさらなる拡大に加え、農業生産の減少や、それに伴う食品価格の上昇などを通じて、地域経済や国民生活へ大きな影響が及ぶ可能性がある。
(注)太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象(国土交通省気象庁ホームページ
)。
(山田研司)
(インドネシア)
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