シンガポール、屋外労働者の暑熱対策を12月から雇用主に義務化

(シンガポール)

シンガポール発

2026年09月03日

シンガポール人材省(MOM)は8月28日、屋外労働者を熱中症など暑熱リスクから保護するため、雇用主による暑熱対策を12月1日から義務化すると発表した。

同国ではこれまで、建設現場や造船所、石油化学プラントなどで屋外作業に従事する労働者について、暑さ指数(WBGT、湿球黒球温度)に応じた暑熱対策を雇用主に推奨してきた(注)。12月からは雇用主に対し、(1)屋外労働者への熱ストレスに関する研修の実施、(2)作業場所の近くでの冷たい飲料水の提供、(3)緊急時に備えた冷水、アイスパックまたは水スプレーの常備、(4)過度の熱ストレスを軽減し、労働者を保護するための適切な衣服の提供、を義務付ける。また、MOMは新たに労働者向けに、換気が良くて涼しい日陰の休憩所を設けることも推奨する。

ディネシュ・バス・ダシュ国務相(人材担当)は報道発表で、「気温上昇に伴う対応強化の一環として、雇用主は暑熱リスクから労働者を守るため、積極的な対策が必要だ」と述べた。その上で、「熱ストレスを適切に管理することは、労働者の健康を守るだけでなく、作業の中断を減らし、生産性を維持し、事業継続性の確保にもつながる」と指摘した。

熱波対策で300カ所以上のクーリングセンター設置へ

シンガポール首相府の国家気候変動事務局(NCCS)によると、地球温暖化の影響で同国の年間平均気温は1984年から2022年までの間に、10年当たり0.24度上昇した。現在、1日の最高気温が35度を超える酷暑日は年間平均で21.4日間だが、最も厳しい温暖化シナリオでは2050年までに年間129日に増えると予想している。

2026年8月31日付の英字紙ストレーツ・タイムズによると、環境持続省エネルギー・気候政策局のカルビン・チョン局長は、熱波対策として国内に300カ所以上の「クーリングセンター(暑熱対策施設)」を設置する計画を明らかにした。センターは冷房が完備され、コミュニティーセンター(自治体施設)や住民向けの施設、スポーツ施設などに設置される予定。

(注)雇用主に対して推奨しているWBGTに応じた暑熱対策についてはMOMのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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