メキシコ、2027年度歳出計画を国会に提出、省庁別予算は一部を除き増額
(メキシコ)
メキシコ発
2026年09月18日
メキシコ大蔵公債省は9月8日、2027年度歳出計画を国会に提出した。計画によると、2027年度(暦年)の歳出総額は10兆5,150億ペソ(94兆6,350億円、1ペソ=約9.0円)となっている。インフレ率などを加味した実質増減率は前年度比0.7%増となった。そのうち、計画的支出(一般会計)が7兆3,111億ペソ(次年度繰り越し分を含めると7兆4,325億ペソ)、金融コストなどの特別会計が3兆2,039億ペソとなっている。一般会計(次年度繰り越し分含む)の内訳をみると、経常的経費が実質4.4%増、年金経費が4.6%増、投資的経費は12.3%減、全体で1.5%増となる(添付資料表1参照)。
支出を項目別にみると、経常的経費のうち補助金支出は総合福祉政策の継続により前年度比実質1.2%増加し、投資的経費の中でもインフラ整備に対する実物投資が3.5%増となった。省庁別予算(添付資料表2参照)をみると、福祉省が0.1%増で、前年と同様に連邦行政機関の省庁で最大の予算規模となり、6,971億ペソに上った。また、奨学金を所管する公共教育省も6.6%増の5,766億ペソを記録した。また、一部を除きほとんどの省庁が増額となり、その中でも海軍省、農業・地方開発省、科学人文技術イノベーション省、デジタル変革通信庁などの増額が目立った。国家選挙管理委員会(INE)は2027年のメキシコでの中間選挙を見越して前年比87.5%増となった。一方、エネルギー省が69.0%減、国営石油公社が1.3%減、電力庁が8.5%減だった。
格付け会社は、PEMEXに政府の継続的な支援が必要であることを懸念
エネルギー省の予算大幅減は、政府からの国営石油公社(PEMEX)への資金援助を縮小したことが主な要因だ。しかし、民間シンクタンクのメキシコ競争力研究所(IMCO)は、自社の予算案分析レポートで「2027年までにPEMEXへの支援を廃止するという目標(注)は達成されず、依然として811億ペソの拠出が見込まれている」とした。また、「大手格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)グローバル・レーティングは、2026年に債務と利払い負担の急速な増加リスク、政府によるPEMEXへの継続的な支援に伴う財政的圧力を理由に、メキシコの格付けが引き下げられる可能性があると指摘した」と述べた。
米国格付け大手のフィッチ・レーティングス(フィッチ)も、「PEMEXの資金需要が依然として高い水準にある」と警告しており、大手格付け会社のムーディーズも「今後3年間にわたり、PEMEXが年間約100億ドルの政府支援を必要とする」と推定した(「エル・セーエーオー」9月11日付)。さらに、この予算案がPEMEXの格付けに変化をもたらすかについて、フィッチの幹部は「政府の支援を含め、既に資金援助は同社の分析に織り込まれていたため、短期的には変更はない」とコメントした。同社のアドリアナ・エラソ・コーポレート・ディレクターは、「メキシコの石油生産は依然として停滞しているため、現時点で他社と比較し、PEMEXは収益をあげられていない」と強調した。また、ムーディーズの幹部も現在のメキシコの油田が自然減産しているため、新規油田の開発が課題の1つだと述べた。
(注)メキシコ政府は2025年8月にPEMEXの再建計画を発表し、2027年から大蔵公債省によるPEMEXヘの資金援助を廃止することを目標の1つとしていた。
(阿部眞弘)
(メキシコ)
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