バングラデシュが11年ぶりに国家給与規定を改定、最低基本給は142%引き上げ
(バングラデシュ)
ダッカ発
2026年09月03日
バングラデシュ政府は8月31日、閣議で第9次国家給与規定を承認した。新給与規定は2026年7月1日にさかのぼって適用され、現行の20等級制を維持しつつ、公務員の基本給を引き上げる。2015年に導入された第8次国家給与規定以来、11年ぶりの改定となる。
今回の給与規定は、2025年に設置された第9次国家給与委員会の報告、国軍給与委員会の報告、およびこれらを検討した次官級委員会の提言を踏まえて決定された。政府は、財政余力、国内の経済状況、インフレ率、生活費、公務員の生活水準などを考慮したとしている。
新給与規定では、20等級のうち最低の20等級の基本給を現行の8,250タカ(約1万725円、1タカ=約1.3円)から約2.4倍の2万タカへ、142%引き上げる。一方、最高位の1等級については、基本給を7万8,000タカから15万6,000タカへ100%(2倍)引き上げる。最低等級と最高等級の基本給の比率は、現行の1対9.45から1対7.8に縮小される。
新給与規定は一括導入ではなく、まず基本給について3段階で実施される。政府は10等級から20等級までの職員の基本給に対し、2026年7月1日付で増額分の50%を遡及(そきゅう)適用し、2027年1月からさらに25%、同年7月に残りの25%を適用する。また1等級から9等級までの職員の基本給に対しは、2026年7月1日付で増額分の40%を遡及適用し、2027年1月にさらに30%、同年7月に残りの30%を適用する。各種手当に関する規定は、2028年1月に適用開始となる。
手当については、特別な支援を必要とする子供を持つ公務員に対し、子供1人当たり月3,000タカの手当が新設される。携帯電話手当についても対象を拡大し、新給与規定では全等級の公務員が対象となる。さらに年金についても、軍人および公務員として勤務した年金受給者に対して、所得水準に応じた増額が予定されている。月額9,000タカ以下の年金受給者に対しては100%増額するなど、低所得の年金受給者ほど高い増加率を適用する。
今回の国家給与規定の改定は、公務員だけでなく、民間企業の人件費や賃金水準にも影響を与える可能性がある。特に、最低基本給が8,250タカから2万タカへ大幅に引き上げられることから、政府部門と民間部門との間で人材獲得競争が強まれば、民間企業においても賃金引き上げ圧力が高まる可能性がある。一方、政府にとっては年間1兆558億タカに上る追加財政負担が発生することから、財政収支への影響が注目される。政府は新給与規定の段階的導入により、追加的な財政負担やインフレへの影響を抑制する方針だ。なお、財務省は今後、給与額の具体的な算定方法、各種手当、年金などの詳細を定めた官報や実施通達を発出する予定。これらを踏まえ、各関係機関が新給与規定の実施に必要な措置を講じることになる。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
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