タイ中銀、政策金利を3会合連続で据え置き

(タイ)

バンコク発

2026年09月03日

タイ中央銀行(BOT)は8月26日、金融政策委員会(MPC)を開催し、全会一致で政策金利を1.00%に据え置くことを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。据え置きは3会合連続となる。

BOTの発表によると、2026年および2027年のタイ経済の成長見通しは、前回予測から据え置かれた。家計は、生活コストの上昇を背景に、支出に慎重な姿勢を維持しており、民間消費は予想を下回る伸びとなった。一方、財輸出と民間投資は、人工知能(AI)関連の世界的な投資サイクルを背景に、予想を上回る伸びを示した。ただし、これらは輸入原材料への依存度が高く、タイ経済への波及効果は限定的と指摘した。また、中小企業は事業環境の変化への対応や厳しい競争に引き続き直面しており、経済成長は依然として低く、ばらつきがあると評価した。

総合インフレ率については、世界的なエネルギー価格動向を受け、前回予測を下回る見通しを示した。ただし、エルニーニョ現象の影響や企業の段階的な価格転嫁により、2027年第1四半期までは上昇し、その後は、潜在成長率を下回る経済成長に伴う内需の弱さなどを背景に、低水準に戻ると予想した。コアインフレ率についても、価格転嫁が予想を下回ったことから、前回予測をわずかに下回るとの見方を示した。中期的なインフレ期待については、依然として目標レンジ(1~3%)内に安定しているとした。

米ドルに対するタイ・バーツ相場は、中東情勢や米国連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を巡る市場予想の変化を受けて変動していると分析した。一方、与信全体は大企業向け融資を中心に持ち直しているとした。一部は新たな投資需要に関連するものの、大半は運転資金需要によるものと指摘した。もっとも、金融機関は依然として高リスク先への融資に慎重姿勢を維持しており、MPCは中小企業や脆弱(ぜいじゃく)な家計の債務返済能力を引き続き注視する必要があるとした。

MPCは、緩和的な金融政策スタンスと対象を絞った金融措置が経済回復を支えてきたことから、政策金利の据え置きを決定した。今後は中東情勢や保護主義的な通商措置、インフレを巡るリスクの動向に注視していくとした。

(野田芳美)

(タイ)

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