インドネシアとシンガポール、現地通貨決済の枠組み運用を開始
(インドネシア、シンガポール、中国)
ジャカルタ発
2026年09月02日
インドネシア中央銀行(BI)とシンガポール通貨金融庁(MAS)は8月31日、両国間の取引でルピアとシンガポール・ドルを直接使用する現地通貨取引(LCT)の枠組みの運用を開始した(8月31日付BIプレスリリース
)。BIとMASは、指定クロスカレンシー取引仲介者(ACCD)として、インドネシアの銀行9行、シンガポールの銀行3行(注)を指定した。経常取引や直接投資などの決済に対応するとしている。
BIとMASは2022年8月にLCT導入に向けた覚書(MOU)を締結し、2026年4月に運用ガイドラインで合意していた。今回の運用開始は、この合意を踏まえた実施段階への移行に当たる。BIは運用開始に先立ち、8月14日付で2026年理事会構成員規則第25号
を施行した。
BIがLCTを推進する背景には、対米ドル依存度を低減する狙いがある。BIは7月の理事会後の会見で、貿易・投資での現地通貨利用が対米ドル需要を抑え、国内の外国為替市場の厚みを増すとの見方を示していた(7月22日付「リプタン」)。また、BI金融市場深化局のルース・チュソイ・インタマ局長は、世界的な不確実性が高まり、国際取引システムにおける米ドルの優位が続く中で、LCT協力の強化が一段と重要になっていると指摘した(5月23日付「コンタン」)。
LCT枠組みは、両国通貨の直接相場(クロスレート)の普及を軸とし、第三国通貨を介さない決済を可能にする。BIとMASは、為替変動リスクとヘッジコストの低減につながるとの見方を示した。インドネシアは中国、マレーシア、タイなどとも同様の枠組みを運用している。
BIは8月14日、中国との人民元建てLCT枠組みも改正し、2026年理事会構成員規則第24号を施行した
。インドネシア国内の人民元需要は2026年7月時点で389億米ドル相当に達し、BIの年間想定にほぼ到達するペースで拡大している(8月19日付「アンタラ」)。
(注)インドネシアのBCA(バンク・セントラル・アジア)、バンクCIMBニアガ、バンクDBSインドネシア、バンク・マンディリ、バンク・メイバンク・インドネシア、バンク・ヌガラ・インドネシア(BNI)、バンクOCBC NISP、東ジャワ州地方開発銀行(バンク・ジャティム)、バンクUOBインドネシアと、シンガポールのDBS銀行、OCBC銀行、UOB銀行が指定された。
(大滝泰史)
(インドネシア、シンガポール、中国)
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