タイ、ラオスのルアンパバーン新橋に17.8億バーツ低金利融資へ
(ラオス、タイ)
ビエンチャン発
2026年09月16日
タイ政府は9月8日の閣議で、ラオス北部ルアンパバーン県チョムペット郡シェンメーンと、メコン川対岸のルアンパバーン市側を結ぶ「シェンメーン・ルアンパバーン橋」建設プロジェクトへの財政支援を承認した(添付資料図参照)。支援額は総額約17億8,400万バーツ(約83億8,000万円、1バーツ=約4.7円)。タイ財務省傘下の近隣諸国経済開発協力機構(NEDA)を通じ、ラオス政府に譲許的融資を供与する。
事業では、ルアンパバーン国際空港北側に橋長820メートルの橋を建設する。併せて、チョムペット郡側に約11.28キロメートル、ルアンパバーン市側に国道13号北線と結ぶ約2.77キロメートルの道路を整備・改良する。建設予定地は、世界文化遺産「ルアンパバーンの町」(注1)の登録区域に近接する。
本事業には、建設から完成後7年間の維持管理までを一体的に行う「OPBC」方式(注2)が採用される。2027年中に着工し、約4年の工期を経て2031年中に完成する予定だ。
現在、ルアンパバーン市と対岸のチョムペット郡との間では、メコン川の横断に渡し舟やフェリーを利用する必要がある。特に車両は、フェリーの便数制限や待ち時間が移動上の制約となっていた。橋の完成により、移動時間は少なくとも30〜45分短縮され、周辺地域の連結性向上や経済活性化につながると見込まれる。またチョムペット郡では、大規模な観光地開発や経済特区の整備が計画されており、橋の整備は同郡の開発促進に寄与するものとみられる。
新橋は、タイ北部ナーン県のバーンフワイコーン国境検問所からラオスのサイニャブリー県ホングサー郡を経てチョムペット郡に至る国道4号B線と、ルアンパバーン市側の国道13号北線を接続する。これにより、タイ北部とルアンパバーン間の旅客や貨物輸送の利便性や安全性が向上すると期待される。
タイ政府はこれまでも、NEDAを通じ、ホングサー郡とチョムペット郡に至る国道4号B線(約114キロメートル)の整備を支援し、2020年に開通した。新橋は、ナーン~ホングサー~チョムペット~ルアンパバーンの陸路に残る、メコン川横断部分のボトルネックを解消する。
タイ側は、橋の完成によりナーン県とルアンパバーン間の貿易機会が拡大すると期待する。大型トラックによる直接輸送が可能となり、燃料、建材、食品・飲料などの輸出増加が予測される。観光面でも、ナーン県などへの訪問者増加が期待されている。
チョムペット郡へ向けてメコン川を横断するフェリー(ジェトロ撮影)
(注1)ユネスコ世界文化遺産「ルアンパバーンの町」は1995年に登録された。ルアンパバーン市の一部と対岸のチョムペット郡の一部を含む820ヘクタールが登録資産(コアゾーン)の範囲に指定されている。周辺の約1万2,560ヘクタールは緩衝地帯が設定され、建物の高さや形態、土地利用などが規制されている。
(注2)OPBCは、Output and Performance-Based Contractの略。世界銀行が道路維持管理事業などで用いるOPBRC(Output- and Performance-based Road Contract)の考え方を応用した契約方式。投入した資材の数量や施工工数を主な支払い基準とする従来型契約とは異なり、契約で定めた成果やサービス水準の達成状況を支払いの主な基準とする。本事業では、新設工事と完成後7年間の維持管理を1つの契約に組み込み、施工者に中長期的な維持管理責任を持たせることで、建設段階から耐久性や将来の維持管理コストを考慮させる効果が期待される。
(山田健一郎)
(ラオス、タイ)
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