イラク炭素経済公社、ドイツ廃棄物処理設備メーカーと協定締結
(イラク、ドイツ)
ドバイ発
2026年09月09日
イラク環境省傘下の国営企業、炭素経済公社(General Company for Carbon Economics、GCCE)は8月下旬、ドイツの廃棄物処理設備メーカー、ズートコ(Sutco RecyclingTechnik GmbH)と、バグダッドで統合型廃棄物管理事業を開発するための基本協定(Master Agreement)を締結した。ドイツ商工会議所連合会(DIHK)のイラク連絡事務所(AHK Iraq)によると、調印式にはイラクのサルワ・アブドゥルワーヒド環境相や在イラク・ドイツ大使館関係者も出席した。同プロジェクトでは1日当たり約6,000トンの廃棄物を処理し、資源回収や肥料、持続可能な航空燃料(SAF)の生産などを計画する。
炭素経済公社のハイダル・カーシム・ダラジ総裁によると、事業では年間約50万トンの有機肥料と1日約100トンのSAFを生産する構想もある。ズートコは今回の協定を長期的な協力に向けた出発点と位置付けており、事業費、建設場所、着工・操業時期、資金調達方法などは明らかになっていない。ズートコは1985年から廃棄物の選別・処理設備を開発・建設している。
バグダッドでは廃棄物処理能力の拡充が課題となっている。バグダッド市長がイラク国営テレビ局に2025年3月に出演した際には、バグダッドでは日量9,000〜1万トンの廃棄物が発生し、埋め立てや初歩的な処理が行われていると説明した。今回公表された6,000トンの処理能力は、この発生量の約6〜7割に相当する。
一方、これより先に中国の上海康恒環境(SUS Environment)は、バグダッドのナフラワン地区で1日3,000トンの廃棄物を処理し、100メガワットを発電する廃棄物発電事業を進めている。投資額は約5億ドルで、2025年3月20日にはムハンマド・シヤーウ・スーダーニー首相(当時)の出席の下で起工式が行われた。イラクの独立系日刊紙「アルマダ」(2026年6月26日付)によると、事業用地の引き渡しや地盤試験、契約締結などバグダッド市側に関係する手続きは完了し、電力省との売電や送電網への接続に関する技術的な手続きを残す段階にある。上海康恒環境の事業と今回のズートコとの事業の役割分担は、現時点では明らかになっていない。
(大野晃三、オマール・アル・シャメリ)
(イラク、ドイツ)
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