シンガポール中銀、フィンテック支援策に今後3年間で総額2億2,000万Sドル投入と発表

(シンガポール)

シンガポール発

2026年09月10日

シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)は8月31日、フィンテック分野を支援する「金融セクター・技術イノベーション(FSTI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」スキームの第4弾として、今後3年間(2026~2029年)で総額2億2,000万シンガポール・ドル(約270億6,000万円、Sドル、1Sドル=約123円)を投じると発表した。

MASは2015年6月、最初の支援スキーム「FSTI1.0」を導入し、金融機関によるフィンテック技術の導入や、フィンテック分野のスタートアップへの支援を本格化した(2015年12月3日記事参照)。その後、第2弾の「FSTI2.0」(2020~2023年)、第3弾の「FSTI3.0」(2023~2026年)と段階的にスキームの内容を改定しながら、フィンテック分野の活性化を図ってきた。

今回の第4弾「FSTI4.0」では、(1)イノベーション活動の定着と拡大、(2)最先端技術を中心としたフィンテック技術開発・導入、(3)技術インフラ整備、(4)人材育成と確保、の4つの戦略目標に基づき支援策を設けた(注1)。最先端技術では、人工知能(AI)、分散型台帳技術(DLT)、量子技術のうち、少なくとも1つを導入するプロジェクトを対象に、人件費やハードウエア、ソフトウエアなどの適格費用の最大50%(最大100万Sドル)を助成する。また、技術開発拠点のセンター・オブ・エクセレンス(CoE)の設置について、人件費の最大50%を助成するほか(注2)、人件費以外の適格費用についても最大50%を助成する。人材育成支援では、インターンの人件費の8割(月額最大1,000Sドル)を助成するとしている。

フィンテック企業約1,800社、2025年の投資額は29億Sドル

MASによると、シンガポールには現在、約1,800社のフィンテック分野の企業が拠点を置き、AIやコンプライアンス、サイバーセキュリティーなどの専門人材約1万人を雇用している。フィンテック分野への投資額は2025年、29億Sドルだった。

MASは引き続き、同庁などが主催する世界最大級のフィンテック国際会議・展示会「シンガポール・フィンテック・フェスティバル(SFF)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通じて、国際的なフィンテック拠点としてのシンガポールの地位強化を図る方針だ。2026年のSFFは、11月18~20日に開催される予定。

(注1)フィンテック支援策第4弾「FSTI4.0」の詳細はMASのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注2)CoEに関わる人件費の支援については、国民の人件費の最大50%、永住権者を含む外国人の人件費の最大25%を助成する。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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