商務省が綿糸輸入規制を一時停止、業界3団体による協議へ

(バングラデシュ)

ダッカ発

2026年09月16日

バングラデシュ商務省は9月13日、10~30番手の綿糸について、輸出企業が利用してきた保税制度による輸入を制限し、銀行保証の提出を求める規制措置の決定を一時停止した。商務省はこれに先立つ9月7日、国内紡績産業の保護などを目的に、国家歳入庁(NBR)に同措置の導入を要請していた。これに対し、衣料品輸出業界からは原材料調達への影響を懸念する声が上がり、紡績業界との間で意見の対立が生まれていた。今後、バングラデシュ衣料品製造・輸出業者協会(BGMEA)、バングラデシュニットウエア製造・輸出業者協会(BKMEA)、バングラデシュ繊維工場協会(BTMA)の3団体が協議する予定だ。

今回の議論は、国内紡績産業の保護と、衣料品輸出の競争力維持をいかに両立させるかという課題を浮き彫りにしている。バングラデシュでは、年間の綿糸消費量の約80%が10~30番手の綿糸で占められているとされ、主としてニット生地の生産に用いられている。輸入を抑制し、国内で生産される綿糸の利用を拡大することは、国内サプライチェーンの強化につながる。一方、輸出企業側からは、買い手が指定する素材や特殊な品質の原材料など、国内で十分に供給できないものについては輸入が不可欠との指摘がある。

さらに、国内紡績・繊維産業は深刻なエネルギー不足にも直面している。BTMAは8月25日、ガス不足などにより、過去1カ月間で約600の繊維工場が生産停止に追い込まれたと説明した。国内で生産可能な綿糸であっても、工場が安定的に稼働できなければ、十分な供給につながらない可能性がある。

国内産業の保護には、輸入を制限するだけでなく、安定したエネルギー供給や生産性向上を通じ、国内企業が品質、価格、納期の面で競争力を高められる環境を整えることが重要だ。今後の協議が、国内紡績産業の育成と衣料品輸出の競争力維持の両立につながることが期待される。

(片岡一生)

(バングラデシュ)

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