北京市、デジタル経済の5カ年規画を発表、2030年までにGRPシェア5割超え目指す

(中国)

北京発

2026年09月18日

中国の北京市政府は9月9日、「北京市第15次5カ年(2026~2030年)デジタル経済発展規画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同規画では、2030年までに北京市を世界トップレベルのデジタル経済先進都市へ発展させるとともに、同市の域内総生産(GRP)にデジタル経済の付加価値額が占める割合を50%超へ引き上げることを目標としている(注1)。また、人口1万人当たりのロボット保有台数100台、電力1キロワット時(kWh)当たり2,000万トークンの生成効率の実現など、計12項目の主要指標を設定した。

同規画で示された主な基本方針は次のとおり。

  1. デジタル技術イノベーション牽引力強化
  2. デジタル経済のコア産業の優位性強化
  3. スマート経済の新たな形態の構築
  4. 産業・都市・人のデジタル・インテリジェンス融合の推進
  5. データ要素の価値創出拠点の構築
  6. 新型インフラ整備の加速
  7. 多層的かつ全バリューチェーンにわたる新たな・協力体制の構築
  8. デジタル経済安全のガバナンス強化
  9. 実施体制の整備

1.では、大規模言語モデル(LLM)の性能向上やマルチモーダルモデルの理解・生成・アライメント技術の課題解決に取り組む。また、スマート研究プラットフォームを整備し、新素材やライフサイエンス分野におけるイノベーション能力を向上させるとした。

2.では、車載用半導体、高精度測位、ライダー(LiDAR)などの重要技術・製品の高度化を推進する。また、デジタルコンテンツプラットフォームの高度化を推進し、オンライン映像、ショートドラマ、アニメなどのコンテンツ産業を育成するとした。

5.では、国家データ管理センター、国家データ資源センター、国家データ流通・取引センターの建設を加速する。また、国家データ流通インフラの中核拠点を構築し、医療、金融、越境取引など、北京市の特色ある重点分野との接続を推進するとした。さらに、北京人工知能(AI)データ活用開発プラットフォームを整備し、データ・「算力」(データ処理能力)・モデル・アプリケーションを一体化したワンストップサービスを提供するとした。

6.では、北京市・天津市・河北省・内モンゴル自治区・山西省を結ぶ大規模な算力クラスターを形成する「京津冀『銀河算力回廊』プロジェクト」を推進するとした。

このほか、付加価値通信分野の対外開放を着実に拡大するとともに、AIなど先端技術分野における国際標準の策定への参画を支援する。また、データ越境移転ネガティブリスト制度(注2)の運用を通じてクロスボーダーデータ流通の円滑化を促進するとした。

(注1)2025年時点の同割合は46.4%となった。北京市の2025年の域内総生産は5兆2,073億元(約124兆9,752億円、1元=約24円)だった。

(注2)北京市では、2024年8月に北京自由貿易試験区を対象とするデータの域外移転に関するネガティブリストを導入した(2024年9月11日記事参照)。また、2026年5月に制度を拡充し、適用範囲を北京市全域に拡大するとともに、従来の自動車、医薬、民間航空、小売り・現代サービス、AI学習データの5分野に加え、医療機器、自動運転(コネクテッドカー)、貿易・物流、銀行業の4分野を追加し、データ域外移転の円滑化と利便性向上を図っている。

(張敏)

(中国)

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