ガザ復興に向けた民間投資機会を議論、UNDPがパレスチナ・日本ビジネスフォーラム開催

(日本、パレスチナ)

企画部企画課

2026年09月14日

国連開発計画(UNDP)は9月8日、東京都内で「パレスチナ・日本ビジネスフォーラム:復興から投資機会へ」を開催した。紛争で被害を受けたパレスチナ・ガザ地区の経済復興における民間部門の役割や、日本企業との連携の可能性について議論した。

開会に際し、野田章子UNDP総裁補兼危機局長は、ガザでは大規模な破壊に加え、人口密度の高さや物流上の制約が復興を困難にしていると指摘した。持続的な復興には、従来型の人道支援だけではなく、雇用と所得を支える中小零細企業の再建が不可欠であり「支援対象ではなく、事業相手としてパレスチナ企業を見てほしい」と日本企業に呼びかけた。

UNDPパレスチナ人支援プログラム(PAPP)のヨハネス・ザームラント・ボウリング経済復興アドバイザーは、ガザの民間部門の被害額が約80億ドルに上ると説明した。一方、復興需要を背景に、建設廃材やプラスチックの再資源化、デジタル・IT、農業などに事業機会があると指摘した。パレスチナ自治政府と共同で策定した復興戦略では、約2,000社の中小企業支援と10万人の雇用創出を目標としていると述べた。

ガザの経済団体は、製造施設の約90%が被害を受け、商業貨物の流入量も必要量の約30%にとどまると説明した。他方、製造業者の1割超が操業を再開していることに触れ生産能力の回復余地を強調した。また、約6,000万トンのがれきの再利用を含む設備供給、技術協力、品質管理、市場アクセス面での日本企業との連携に期待を示した。

ガザ地区にてIT人材の雇用・育成事業を手掛けたモンスターラボホールディングスの鮄川宏樹代表取締役社長は、パレスチナ人IT人材との協業経験を紹介した。ガザを単純に「ビジネスチャンス」や「投資機会」と捉えることへ警鐘を鳴らしつつ、若年層の教育水準と就業意欲は高いとして、継続的な雇用の創出や海外在住のパレスチナ人と日本企業をつなぐ取り組みの重要性を指摘した。

フォーラムでは、UNDPが「エコシステム型官民連携モデル」を提唱、危機下の国々における包括的な官民連携を提案した。国際協力機構(JICA)は、ジェリコ農産加工団地(JAIP)をはじめとするパレスチナにおける支援を紹介した。また、プラスチックリサイクル、がれき処理、物流プラットフォーム、ソフトウエア品質保証、アグリテックなどの分野で事業を展開するパレスチナ企業5社が事業内容を紹介した。

写真 開会あいさつを行うUNDP野田氏(ジェトロ撮影)

開会あいさつを行うUNDP野田氏(ジェトロ撮影)

写真 パレスチナ・プラスチックリサイクル工場のオンライン見学会の様子(ジェトロ撮影)

パレスチナ・プラスチックリサイクル工場のオンライン見学会の様子(ジェトロ撮影)

(福山豊和)

(日本、パレスチナ)

ビジネス短信 9b9074eab67705b1