紀伊國屋書店がバングラデシュに進出、担当者に事業展開の現状を聞く
(バングラデシュ、日本)
ダッカ発
2026年09月04日
日本の大手書店チェーンである紀伊國屋書店は6月19日、バングラデシュ初となる店舗を首都ダッカ北部ウットラ地区の商業施設「センターポイント・ウットラ」に開業した。バングラデシュ有数のコングロマリット企業であるユナイテッド・グループが、フランチャイズ契約に基づき事業を運営する。従業員10人、面積142坪(約469平方メートル)の店舗では、フィクション、ノンフィクション、漫画、児童書、文学、ビジネス、教育関連など約4万冊を取り扱う。そのうち、日本語書籍は2%を占める。ダッカ店開業により、海外店舗数は11カ国で49店となった(6月10日時点)。開業から約2カ月が経過し、同店の運営を担う新規事業開発担当のイシュティアック・アーメッド氏に、開業後の反響やバングラデシュ市場の可能性について聞いた(インタビュー:8月10日)。
(問)開業後の反響は。
(答)初月から予想を上回る反響があった。年齢や職業を問わず、多くの読書愛好家が来店した。開業後2日間は混雑を避けるため事前予約制としたが、ダッカ以外からも多くの人が訪れ、チョットグラムやシレットといった地方都市からも予約の問い合わせがあった。正規の書籍を扱うグローバルな書店に対する需要の大きさを実感している。
(問)展開を決めた背景は。
(答)デジタル化に伴う読書離れなどを背景に、当初は書店事業の将来性に懸念もあった。一方、人々が集い、本を通じて交流できる場へのニーズはあると考えた。また、短期的な収益性だけでなく、紀伊國屋書店という世界的ブランドの価値を重視し、事業化を決めた。
(問)売れ筋商品と顧客層は。
(答)売上高では漫画が最も大きな割合を占め、販売冊数では英文学、特にフィクションが首位となっている。文具ではゲルインクボールペン、ボールペン、蛍光ペンが人気だ。学生だけでなく、幅広い年齢層や職業の人々が来店している。
(問)商品調達や物流面での課題は。
(答)英国やインドから商品を調達しているが、主に航空便を利用しているため、輸送費がかさみ販売価格を押し上げている。船便に切り替えれば40~45日程度を要するものの、物流コストを削減できるため、販売価格の引き下げにつながると期待している。
(問)今後の展開は。
(答)今後はバングラデシュの書籍を陳列する「バングラデシュ・コーナー」の設置も予定している。一方、開業からまだ2カ月であるため、現時点でほかの都市への出店計画はない。週末は多くの来店客でにぎわう一方、平日の集客が課題となっており、来店を促す施策を検討している。
紀伊國屋書店とユナイテッド・グループの担当者(ユナイテッド・グループ提供)
紀伊國屋書店レジカウンター(ジェトロ撮影)
(箕浦智崇、イスラット・ジャハン)
(バングラデシュ、日本)
ビジネス短信 833e196099ba17f1





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