国家歳入庁、輸入通関の重複検査や不要書類の削減を指示

(バングラデシュ)

ダッカ発

2026年09月03日

バングラデシュ国家歳入庁(NBR)は8月30日、全国の税関に対し、輸入貨物の通関における重複検査や不要な書類の要求を削減し、貨物の迅速な引き渡しを徹底するよう指示した。リスクベースの検査を強化する一方、税関内の複数の情報・調査部門による重複した検査を避けることで、通関時間と輸入業者のコストを削減することが狙いとみられる。

今回の指示では、税関情報・調査局(CIID)と中央情報部(CIC)の間で検査を調整し、同一貨物に対して複数の部局が重複して検査することのないよう求めた。書類については、2024年貨物申告・査定・再査定規則(Goods Declaration, Assessment and Re-assessment Rules)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で定められたもの以外の書類を輸入者に求めてはならないとした。また、既に電子的に提出された書類について、紙媒体で再提出させることも認めないとしている。

一方、NBRは検査そのものを緩和するのではなく、リスクの高い貨物を検査対象として重点化する方針を打ち出した。具体的には、電子通関システム「ASYCUDA World」の貨物選定基準を定期的に更新し、関税・税収上のリスクに基づいて検査対象を選定するとともに、現物検査の結果を今後のリスク選定基準の改善に活用するよう求めている。リスクが低い貨物については、NBRから特段の指示がない限り、案件を上級職員へ回付しないことも指示した。このほか、査定・通関手続きにおける不要な工程の廃止、港湾での貨物搬出やゲート確認の適切な監督、滞留貨物の公売手続きの迅速化なども求めた。今回の措置は、輸入貨物の通関手続きに不満を抱いてきた民間企業の要望を踏まえたものとみられる。

今回の指示が現場で着実に実施されれば、港湾での貨物滞留時間の短縮や通関関連コストの低減につながる可能性がある。一方、バングラデシュでは中央政府の指示と現場での運用の間に乖離が生じるケースも少なくない(調査レポート参照「バングラデシュ通関課題ヒアリング報告」(2025年3月)参照)。そのため、実効性については今後の運用状況を注視する必要がある。

(片岡一生)

(バングラデシュ)

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