2026/2027年度のオーストラリア農業生産額は前年度比5%減の見通し、過去最高額に次ぐ高水準

(オーストラリア)

シドニー発

2026年09月09日

オーストラリア農業資源科学経済局(ABARES、注1)は9月1日、四半期ごとの農業生産報告書で、2026/2027年度(2026年7月〜2027年6月)の農業生産額が前年度比5%減の994億オーストラリア・ドル(約11兆3,000億円、豪ドル、1豪ドル=約114円)になるとの見通しを発表した。これは、2025/2026年度過去最高額(1,046億豪ドル)に次ぐ過去2番目の高水準となる。また、輸出額(林・水産物含む)は808億豪ドルと、過去3番目の高水準になると見込まれている(ABARES農産物レポート - 2026年9月期PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、添付資料表参照)。

園芸部門は堅調な見通しを示しており、生産額は過去最高の約188億豪ドルに達する見込みだ。アーモンド、マカダミアナッツなどのナッツ類、かんきつ類、生食用ブドウなどの輸出需要の拡大もあり、輸出額は過去最高の44億豪ドルに達すると予測されている。背景には、東南アジア市場からの堅調な需要に加え、ナッツ類やかんきつ類の結実面積(注2)の拡大や、前年度に深刻な豪雨被害を受けた生食用ブドウの生産回復があるとされている。

穀物部門では、主要作物である小麦は乾燥した天候により生産量の減少が予想される。一方、大麦は生産量が微減する見込みだが、価格上昇と高水準の生産を背景に、生産額は51億豪ドルに増加する見通しだ。畜産部門では、牛肉の生産量・額ともに減少するが、米国の牛肉供給不足を背景とした輸出需要により、引き続き高水準を維持するとされている。また、鶏肉も人口増加や高タンパク食品トレンドを背景に緩やかな増加が続く見通しだ。

一方、ABARESは、今後の不確実要因として、エルニーニョ現象による乾燥リスクや、中東情勢に伴う物流・肥料・燃料コストの上昇による経営環境の悪化を挙げている。これに対し連邦政府は、海外に依存する燃料・肥料などの安定確保を推進する140億豪ドル規模の政策パッケージ(「Strengthening Australia’s Fuel Resilience package」)を通じて、生産者への支援を強化している。

(注1)オーストラリア農林水産省(DAFF)傘下の組織であり、農畜産物の需給見通しや生産者の経営動向などの情報を収集、分析、公表する役割を担っている。

(注2)果樹の栽培面積のうち、実を付ける段階に達した樹木が占める面積のこと。

(瀧山典子)

(オーストラリア)

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