米FRBは政策金利を全会一致で0.25ポイント引き上げ、物価目標を堅持する姿勢を強調

(米国)

ニューヨーク発

2026年09月17日

米国連邦準備制度理事会(FRB)は9月15~16日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、市場の予想どおり、政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、3.75~4.00%とすることを全会一致で決定PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(添付資料図参照)。

今回の利上げは、一部地政学的な情勢変化の影響もあり不透明感が増しているものの、内需は底堅く、景気は堅調なペースで拡大しており、雇用も堅調である中で、インフレ率が高止まりしていることなどを踏まえたもの。前回(7月)会合の議事録外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、参加者の多くは、関税やエネルギー価格の影響が剥落するに従って、インフレ率は低下していくと見込んでいた。一方、インフレ見通しには高い不確実性があり、リスクは上方に傾いているとの議論があった。また、7月会合では、追加利上げの判断に向けてさらなる情報が必要とされていた。今回の会合でケビン・ウォーシュ議長は、「依然として、基調インフレが2%目標へ明確かつ十分な速度で収束しているという確信を持てなかった」と説明した。

今回発表された声明文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの前回からの主な変更点は、(1)不透明感が高いとしつつも内需が底堅いことを記載、(2)インフレ率に対してエネルギー分野などにおける供給ショックの影響という文言を削除、(3)物価目標2%へのより迅速な回帰を重視する姿勢の明確化の3点だ。特に3点目については、迅速な(timelier)という表現をFOMC後の記者会見の冒頭発言でも使用しており、物価目標を堅持する姿勢をあらためて強調したものとみられる。

また会見では、現在のインフレ率は高く、その水準に長くとどまりすぎていると発言した。質疑応答においては、前回(7月)会合との違いについて質問があり、それに対してウォーシュ議長は、1.経済の強さ、2.インフレ傾向、3.地政学上の情勢変化といった要素を挙げた。

また、今回の会合で公表された経済・政策金利の見通しPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、インフレ率は長期的には2%に回帰するとしつつも、2026年は3.7%、2027年でも2.3%と、2%を上回る状態が続くとみられる(添付資料表参照)。こうした見通しを踏まえ、FOMC委員は年内にあと1回の引き上げを見込む。

なお、今回の利上げ決定に対し、ドナルド・トランプ大統領は、政策金利は引き下げるべきとの見解を示した(Truth Social、9月16日)。また、ホワイトハウスの報道官のクシュ・デサイ氏も、インフレ率の高止まりは中東問題の影響を受けたエネルギー供給ショックによるものだとし、これに対する政策金利の引き上げは経済的に正当化できないとの見方を示した(CNBC、9月16日)。

(當麻江美)

(米国)

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