タイとシンガポール、11年ぶりに非公式首脳会談開催

(シンガポール、タイ)

シンガポール発

2026年09月04日

シンガポールのローレンス・ウォン首相は9月2日、タイ・バンコクを公式訪問し、第5回タイ・シンガポール首脳リトリート(非公式首脳会談)に参加した。2国間協議を行う枠組みである首脳リトリートが両国間で開催されるのは、2015年以来11年ぶり。タイのアヌティン・チャーンウィーラクーン首相とは、2025年11月の同首相によるシンガポール公式訪問、2026年5月にフィリピン・マニラで開かれたASEANサミットに伴う2国間会談に続く首脳級会合となった。

両首相は、2国間関係や国際情勢など幅広い分野で意見交換を行った。また、シンガポールが2027年に、タイが2028年に、それぞれASEAN議長国を務めることを踏まえ、緊密な連携を図ることで合意。首脳リトリートの成果として「未来志向の戦略的パートナーシップ」に関する共同声明を発表した。同声明で示された4本柱と主な内容は次のとおり。

  1. グリーン・持続可能なパートナーシップ:エネルギー安全保障における協力強化、ASEANパワーグリッド構想実現に向けた電力相互接続の推進、カーボンクレジット取引の実施加速。
  2. 強靭(きょうじん)で統合された経済:貿易・投資やサプライチェーン強靭化の促進、海上交通路の安全確保、食糧安全保障の協力維持(注)、デジタル経済・人工知能(AI)・越境決済における連携強化。
  3. 強化された防衛・安全保障協力:両軍の共同訓練や防衛交流の拡大、金融やデジタル資産に関する犯罪をはじめとする越境犯罪対策における連携強化。
  4. 地域課題に関する戦略的連携の強化:ASEANの域内統合・連結性の強化、ルールに基づき包摂的(インクルーシブ)で開かれた地域秩序の維持。

(注)タイとシンガポールは2025年11月、コメ貿易協力覚書(MOC)に署名している。MOCでは署名日から5年間、タイがシンガポールに対して計10万トンのコメを供給することが定められている。

(広木拓)

(シンガポール、タイ)

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