米シカゴ連銀経済報告、7~8月の経済活動はわずかに増加も不透明感残る
(米国)
シカゴ発
2026年09月04日
米国連邦準備制度理事会(FRB)が9月2日に公表した地区連銀経済報告
(ベージュブック、注1)の中で、米国中西部の一部地域(注2)を管轄するシカゴ連銀は、7~8月前半にかけての同地域の経済活動について、報告期間中わずかに増加した(increased slightly)と報告した。関係者(注3)は、今後1年間の活動は同程度のペースで増加すると予想している。
同地域の経済活動を分野ごとにみると、雇用はわずかに増加し、関係者は今後1年間同様のペースで増加すると予想している。関係者は、全体的に労働市場の状況に大きな変化はないと見ている。州政府関係者は解雇率が低水準で維持されていると報告した。
物価は全体的に緩やかに上昇し(moderately)、関係者は今後1年間も緩やかな上昇ペースが続くと予想している。生産者物価・非人件費の投入コストはともに控えめに上昇した(modestly)。多くの関係者からは原材料、エネルギー、輸送費のコスト上昇が指摘されている。
個人消費は、全体として横ばい(flat)となった。新車の販売台数は横ばいとなった。消費者の不確実性が高まり、供給不足による価格高騰が続く中、需要が堅調であることに驚くディーラーがいた一方で、ディーラーの中には中小企業向け販売の減少について自動車市場全体の低迷の前兆となる可能性を懸念する声もあった。
企業支出は全体的にわずかに減少した。関係者からは、設備投資が小幅に減少したとの指摘があったが、今後1年間の支出見通しについては小幅な増加が見込まれている。小売り在庫は全体として十分な水準となった。一部の関係者からは、ホリデーシーズンの受注が2025年を下回っているとの声が聞かれ、その理由として、サプライチェーンへの信頼が向上したこともあれば、売り上げがどの程度伸びるか不透明であることも挙げられた。
製造業の需要は控えめに増加した。一次金属(注4)の関係者は、機器メーカーからの受注増が一因となり、既に高い水準にあった売り上げがさらにわずかに増加したと報告した。
地区内の2026年の農業所得の見込みは、低水準からいくらか改善した。国内および国際的な需要の拡大に伴い、トウモロコシ、大豆、小麦の価格は上昇した。また、バイオ燃料への旺盛な需要により、エタノールとバイオディーゼルの生産量が増加した。鶏卵価格と肉用豚価格は前回報告期間から上昇した一方、乳製品価格は下落し、肉牛価格はさらに低下した。地区内の肉用牛生産者は、主要な食肉加工工場が突如閉鎖されたことで、さらなる課題に直面した。
個々の調査対象項目ごとの詳細は添付資料表参照。
(注1)連邦公開市場委員会(FOMC)の開催に先立ち、年8回公表されており、ビジネス関係者などの声を基にまとめたもの。
(注2)アイオワ州、イリノイ州北部、インディアナ州北部、ウィスコンシン州南部、ミシガン州南部。
(注3)本稿に出てくる「関係者」とは、各地区連銀および支店の理事に加え、各業界の企業、地域団体、経済学者、市場専門家、そのほかの情報源を指す。関係者へのインタビューやオンラインアンケートを通じて、管轄地区の現在の経済状況に関する情報を収集している。
(注4)採掘された鉱石を精錬して初めて作られる金属で、インゴットや平板などの基本的な素材に加工したもの。
(星野香織)
(米国)
ビジネス短信 5c7107d7b719dac9





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