ウィーンエネルギー、オーストリア最大級のセカンドライフ蓄電システムの運転を開始

(オーストリア)

ウィーン発

2026年09月15日

オーストリアのエネルギー大手ウィーンエネルギーは7月30日、電気自動車(EV)での使用を終了したバッテリー(セカンドライフEVバッテリー)を活用した国内最大級の「セカンドライフ蓄電システム」の運転を開始したと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ドイツ語)。本プロジェクトは資源の有効活用と最先端のエネルギー技術を結び付けるもので、使用済みEVバッテリーが、将来の環境に優しいエネルギー供給を支える重要な構成要素となり得る。

同蓄電設備はウィーン南部の23区に設置されており、出力1メガワット(MW)、蓄電容量4メガワット時(MWh)を有する。約400個のEV用バッテリーモジュールを活用し、隣接する太陽光発電所で発電された余剰電力を蓄え、電力需要が高まる時間帯に送電網へ供給する仕組みだ。この太陽光発電設備は約4,000枚のソーラーパネルで構成されており、年間でウィーン市内の一般家庭約400世帯分に相当する電力を供給できる。

ウィーンエネルギーによると、現在は使用済みEVバッテリーの市場供給量が限られているため、余剰在庫のバッテリーも活用している。しかし、今後EVの普及が進めば、使用済みEVバッテリーの在庫も数年後には大幅に増加する見通しだ。使用済みEVバッテリーを蓄電システムに利用する最大の利点は、新品のリチウムイオン電池よりも安価であることだ。また、本来ならリサイクルに回されるバッテリーを蓄電用途で再利用することで、リチウムなどの貴重な資源をより長期間有効活用できる(「クリエ」紙8月21日)。同社はエネルギー貯蔵能力の大幅な拡大を進めており、年内には総出力25MW、総蓄電容量50MWhの大型蓄電設備を追加導入する計画だ。

ウィーン市は2040年までに気候中立を達成という目標を掲げている。ウィーンエネルギーも同じ目標を目指し、温室効果ガス削減のため、再生可能エネルギーの拡大を推進する方針だ。現在、同社は市内約500カ所以上で総出力約200MWの太陽光発電設備を運営しており、2030年までに太陽光発電容量を600MWへ拡大する計画だ。また、風力発電では145基の風力発電設備を稼働させており、今後10年間で出力を2倍以上に引き上げる予定だ。再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、余剰電力を効率的に貯蔵・活用するためのエネルギー貯蔵システムの重要性は一段と高まるとみられる。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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