日・デンマーク、フードテック交流イベントをコペンハーゲンで開催、持続可能な食料システムを議論
(デンマーク、日本)
デュッセルドルフ発
2026年09月02日
在デンマーク日本大使館とアジアハウス(Asia House、
注1)は8月21日、コペンハーゲンで「日本・デンマーク フードテック交流イベント - 持続可能な食料システムを目指して (Japan-Denmark Food Tech Exchange - Toward a Sustainable Food System )」を開催した。イベントには、日本とデンマークの食品関連企業、研究機関、行政関係者などが参加し、フードテックを通じた持続可能な食料システムの構築や両国間の協業の可能性について議論を行った。
森美樹夫駐デンマーク日本大使、およびデンマーク獣医食品庁(Danish Veterinary and Food Administration)のケネス・バン・ヨエンセン事務局長が開会あいさつを行った後、デンマーク技術研究所(DTI)ラース・レオポルド・ヒンリクセン氏が「新時代に向けたデンマークのフードエコシステム」をテーマにした基調講演を行った。
イベントの中心は、日本とデンマークの企業・スタートアップの先進事例を紹介するフードテックピッチイベントとなった。日本側からは、ディープテック企業のニューラルエックス(Neural X)の持続可能な陸上養殖技術、大日本印刷(DNP)による健康的な暮らしを支える素材技術が紹介された。デンマーク側からは、デンマーク工科大学が可食性・生分解性食品包装材の開発を行うプロジェクト「イート・パック(EAT-Pack)」について、「マイコフォーフード(Myco4Food)」が固体発酵(注2)の自動化と大規模化を実現するためのバイオリアクターシステム開発について、それぞれ発表した。
講演に聞き入る参加者たち(在デンマーク日本大使館提供)
パネルディスカッションでは、「フードテックは持続可能な食料システムにどのように貢献できるか」をテーマに議論が行われた。フード・ネーション(Food Nation、注3)のリセ・ワルボム最高経営責任者(CEO)をモデレーターとして、前出のDTIのヒンリクセン氏、ニューラルエックスの仲田真輝CEOに加え、デンマーク投資局のカトリーネ・ダルスゴー・スコウリー氏、日本とデンマークの食文化交流に取り組むニールセン北村朋子氏が登壇。食料安全保障や資源効率化への対応に向けて、技術革新のみならず適切な制度設計、産学官連携や国際協力の重要性を指摘した。
パネルディスカッションの様子(左からスコウリー氏、ヒンリクセン氏、ニールセン北村氏、仲田CEO、ワルボムCEO)(在デンマーク日本大使館提供)
デンマークは食品、バイオソリューション、グリーントランジション分野で欧州有数のイノベーション拠点として知られている。代替たんぱく質、発酵技術、水産養殖、サステナブル包装分野は今後の日・デンマーク間の協力が期待される領域であり、今回のイベントは、両国の企業にとって国家の垣根を越えた連携の可能性を探る場となった。
ネットワーキングの場では日本食も提供された(在デンマーク日本大使館提供)
(注1)デンマークの企業関係者と日本を含むアジアの企業・機関とをつなぐ非営利機関。
(注2)固体の状態で微生物を増殖させ発酵させる手法。
(注3)デンマークの食品・農業産業を国外に発信するための官民共同機関。
(安岡美佳)
(デンマーク、日本)





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