ドイツ政府、ドローン攻撃未遂事件をロシア関与と断定、対抗措置を実施へ

(ドイツ、ロシア)

調査部欧州課

2026年09月08日

ドイツのヨハン・ワーデフール外相とアレクサンダー・ドブリント内相は9月1日、東部ザクセン州のライプチヒ・ハレ空港で8月に発生したドローン攻撃未遂事件に関して共同記者会見を行い、ロシアの関与と断定した上で対抗措置を実施すると発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ライプチヒ・ハレ空港では8月4日夜、駐機していたウクライナのアントノフ航空の貨物機4機の近くで爆発物を搭載したドローンが発見された。起爆装置が取り付けられていたが、不具合により爆発は免れた、と報じられている(ドイツ公共放送ARD「ターゲスシャウ」8月5日)。また、発見直後には同空港付近の上空で別のドローンとみられる物体と物流大手DHLの貨物機が衝突する事態が発生。機体前部に軽微な損傷が確認された。同内相は、爆発物が搭載されたドローンが確認されたのはドイツ国内において初の事例であり、「新たな次元の脅威」であると述べた。さらに、8月14日には同空港に隣接する東部ザクセン・アンハルト州カベルスケタールの畑で3機目のドローンが発見された。

9月1日の記者会見において、同内相は「警察の捜査、犯行手口の分析、情報機関の知見を総合的にみると、8月4日にライプチヒで発生したハイブリッド攻撃についてはロシアに責任がある」と発言。同外相は、安全保障の強化に加え、対抗措置として次のことを発表した。

  • ドイツ西部ボンのロシア総領事館を9月18日付で閉鎖
  • ベルリンのロシア科学文化院(The Russian House)の賃貸契約解除
  • EUに対して、ハイブリッド攻撃に関与したロシア人個人を新たに制裁対象リストに追加することを提案
  • ロシア国籍者に対する入国管理の強化
  • 「影の船団」(シャドーフリート)への圧力強化

これに対して、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「失策」とコメント。セルゲイ・ラブロフ外相は、ロシア国内にあるドイツ文化機関「ゲーテ・インスティテュート」を閉鎖する方針を示した。タス通信によると、ロシア外務省は「ドイツによる反ロシア的行動には『厳しい対抗措置』が伴う」と警告した(「タス通信」9月3日)。

ドイツ公共放送ARD加盟の北ドイツ放送(NDR)および西部ドイツ放送(WDR)、ならびに南ドイツ新聞が入手した連邦刑事庁(BKA)の内部報告書によると、ドイツ国内では2026年に入り8月末までに、160件超の破壊工作疑い事案が発生しており、740件超の不審なドローン目撃情報が確認されている(ドイツ公共放送ARD「ターゲスシャウ」9月3日)。

(近藤慶太郎)

(ドイツ、ロシア)

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