イタリア、一部の包装材に生分解性かつ堆肥化可能素材使用を義務付け、バイオプラスチック産業を後押し
(イタリア、EU)
ミラノ発
2026年09月04日
イタリア政府は8月4日、特定の使い捨てプラスチック包装材について、生分解性かつ堆肥化可能(コンポスタブル)素材の使用を義務付ける政令を閣議決定し、7日の官報掲載を経て、翌8日に施行した。対象となるのは、1.5キログラム未満の生鮮青果物の包装、ホテル・レストランおよびケータリングで使用される施設内飲食向けに使われる食品・飲料包装、さらに同業種における調味料の個包装(ソース、コーヒークリーム、砂糖など)。また、宿泊施設で提供されるアメニティーの個包装も含まれる。違反に対する罰則は2030年1月から導入され、罰金額は2,500~2万5,000ユーロ。義務違反の対象となった包装材の価値が違反者の売上高の10%を超える場合、上限額を最大4倍まで引き上げられる。
今回の措置は、8月12日から一部適用が始まったEUの包装・包装廃棄物規則(PPWR)への対応として導入された。PPWRでは、原則として包装材が「リサイクル可能」であることを求めている。一方で、有機廃棄物の回収および処理体制が十分に整備されている国については、「リサイクル可能」の代替要件として「堆肥化可能」を要件とすることを認めている。イタリア政府は、PPWRの本格運用を見据え、国内のバイオプラスチック産業や、その包装材を利用するサプライチェーンの事業継続を支援するため、今回の措置を講じたとしている。
イタリアは、EU加盟国の中で一般廃棄物の分別収集を主導している国の1つ。イタリア堆肥化協会によると、2024年には、一般廃棄物全体の67.7%(有機廃棄物、容器包装廃棄物、電気電子機器廃棄物などを含む)が分別収集されリサイクルされた。このうち、有機廃棄物は分別収集された廃棄物の37.8%を占めた。また、年間約770万トンの有機廃棄物が埋め立て処分されることなくリサイクルされている。堆肥化インフラ整備も進んでおり、2024年時点で344施設が年間930万トンの有機廃棄物を処理した。
イタリア・バイオプラスチック協会(Assobioplastiche)は今回の政令を歓迎。ルカ・ビアンコーニ会長は、「今回の措置はEUのPPWR規則と整合した対応で、法的確実性を高めた。イタリアが長年欧州におけるベンチマークとなってきたコンポスタブル・バイオプラスチック分野にとってプラスとなる。(プラスチック包装材を利用する)国内のサプライチェーン全体の競争力強化につながる」と評価した。
(平川容子)
(イタリア、EU)
ビジネス短信 37c3e48392ef0138





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