インドネシア政府、太陽光発電所100GWp計画を始動、2029年までの完了目指す
(インドネシア)
ジャカルタ発
2026年09月04日
インドネシア政府が進める太陽光発電所(PLTS)100ギガワットピーク(GWp、注)プログラムが8月25日、正式に始動した。バリ州ジュンブラナ県で開催された式典で、プラボウォ・スビアント大統領が同プログラムの開始を宣言した。初期案件として、西ジャワ州、中部ジャワ州、東ジャワ州、バリ州、バンカブリトゥン州、リアウ諸島州の6州で14件、計5.3GWpのPLTSが位置付けられた。大統領は100GWpの実現を3年以内(2029年まで)とする目標を示した(8月25日付「インドネシア大統領府プレスリリース」
)。
同プログラムは、ディーゼル発電から太陽光発電への転換を進め、エネルギー安全保障の強化や化石燃料への依存度低減につなげることを狙いとしている。政府によると、インドネシア国内の太陽光発電の潜在容量は約3,294GWに達する一方、2026年4月時点の導入容量は約1.5GWにとどまる(8月25日付「コンパス」)。
プラボウォ大統領はこれに先立ち、2027年度国家予算(APBN)法案の説明演説で、2026年に30ギガワット(GW)の太陽光発電所を建設するとともに、13GW分のディーゼル発電所を稼働停止とする目標を表明した。また、100GWの導入により、年間73兆9,000億ルピア(約6,651億円、1ルピア=約0.009円)のコスト削減効果が見込まれるとの試算を紹介した(8月15日付「コンパス」)。バフリル・ラハダリア・エネルギー・鉱物資源相は、30GW分の太陽光発電所の建設に向けた入札計画について、国営電力会社PLNと協議済みであり、今後入札手続きを進める考えを示している(8月19日付「コンパス」)。
一方、インドネシアの太陽光発電には、制度面の課題が残る。日系企業からは、主に屋根置き型に限定される太陽光発電について、導入クオータ(設置枠)不足や承認手続きの不透明さ、予見性の低さが指摘されている。また、2024年に廃止された余剰電力の売電制度の復活を求める声もある。さらに、地上設置型やフローティング型については、制度的枠組み自体が未整備であり、案件形成や投資判断を難しくしているとの指摘もある。100GWp計画が実施段階に入る中、こうした制度上の課題がどこまで解消されるのかが注目される。
(注)「ギガワット(GW)」と「ピーク(peak)」を組み合わせた用語。太陽光発電システムの最大出力を表す。
(高田尚、山田研司)
(インドネシア)
ビジネス短信 37addf01d905db1e





閉じる