鹿島建設とJTCが自律型建機導入に向け実証、建設現場の省人化へ

(シンガポール、日本)

シンガポール発

2026年09月18日

シンガポールの工業団地・施設の開発運営政府機関JTCと鹿島建設は9月17日、同国内の建設現場への自律型建機導入に向けた実証プロジェクトの実施を発表した。自律型の大型建機を使った本格的な実証は同国初となる。建設現場での重機オペレーターの50%削減を目指す。

写真 シンガポール西部の実証区「ブリム・オートノマス・ヤード(BAY)」で、無人の自律型建機の実証実験が行われている(ジェトロ撮影)

シンガポール西部の実証区「ブリム・オートノマス・ヤード(BAY)」で、無人の自律型建機の実証実験が行われている(ジェトロ撮影)

鹿島建設は日本国内で導入実績がある自動化施工システム「A4CSEL(クワッドアクセル)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を今回、日本国外で初めて導入する。JTCが同国西部で開発中のジュロン・イノベーション地区(JID)に設置された約1万平方メートルの実証区「ブリム・オートノマス・ヤード(BAY)」では、3月から自律型振動ローラー2台を使った締め固め作業や施工管理などの実証を進めている。今後、同システムの導入による2台の連携と生産性・安全性・耐久性を検証する。また、現地で提携する地場建設会社コック・トン・コンストラクション(KTC)と地場重機会社トラクターズ・シンガポールのオペレーターへの研修も実施してきた。鹿島建設の利穂吉彦土木管理本部副本部長は9月16日に行われた実証実験開始の式典で、「本プロジェクトはクワッドアクセルをシンガポールの建設環境に展開する重要な第一歩であり、実際の建設プロジェクトへの導入に道筋を開く」と期待を示した。

写真 掘削現場から離れた作業場で複数の自律型建機をモニターするKTCのオペレーター(ジェトロ撮影)

掘削現場から離れた作業場で複数の自律型建機をモニターするKTCのオペレーター(ジェトロ撮影)

同実証区では現在、スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETH)発のスタートアップ、グラビス・ロボティクス(Gravis Robotics)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも実証に参画している。グラビスは既存の建機にセンサーや制御モジュールなどを後付けするだけで、自律型建機へ改造できる技術を持つ。同社は今回の実証プロジェクトで油圧ショベル2台を自律型重機に改造した。

第1期の実証プロジェクトは2026年末まで実施する予定だ。第2期ではブルドーザーやダンプトラックなど建機を増やし、複数の自律型建機を連携させる。掘削・積み込みから土砂の運搬、敷きならし、締め固めまで、一連の土木工程の自動化を目指す。JTCのジャックリーン・ポー最高経営責任者(CEO)は同式典で、「JTCが今後5年間で予定するプロジェクトだけでも、800ヘクタール以上の土木工事が必要となる」と指摘した。その上で、「BAYでの自律施工を実証実験にとどまらず、プロジェクト入札案件でも活用していきたい」と述べた。

(本田智津絵)

(シンガポール、日本)

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