ケニア、混載貨物の課税・通関制度見直しで妥協案成立

(ケニア)

ナイロビ発

2026年09月07日

ケニア政府は9月2日、混載貨物の課税および通関制度を巡り、中小零細企業(MSME)団体や関係機関との協議を実施し、一般混載貨物に適用する課税ベンチマークの引き下げを含む一連の措置で合意した。投資・貿易・産業省とケニア中小零細企業連盟(MSME Alliance of Kenya)が公表した共同声明によると、ケニア歳入庁(KRA)は一般混載貨物に適用する課税ベンチマークを250万ケニア・シリング(約300万円、1シリング=約1.2円)から200万ケニア・シリングへ引き下げる一方、業界の登録や貨物追跡の強化などを進める。

混載貨物は、複数の小規模輸入業者の貨物を1本のコンテナにまとめて輸送・通関する仕組みで、中国やアラブ首長国連邦(UAE)、トルコなどから商品を輸入する中小商人の間で広く利用されてきた。ケニアでは税関手続きの簡素化を目的として、2019年以降、個別貨物ごとの査定ではなく、おおむね1キログラム当たり200シリングを基準とする簡易評価制度が運用されてきたが、KRAは近年、一部事業者による輸入価格の過少申告や高額商品の不適切な申告が行われているとして制度見直しを進めていた。

こうした背景もあり、KRAは当初、2026年7月1日から一般混載貨物に適用する評価基準(ベンチマーク)を引き上げる方針を打ち出したが、中小輸入業者からは輸入コストの上昇につながるとの反発が強まった。KRAは業界との協議のため導入を延期した後、8月下旬から評価基準を引き上げる措置を適用した。これに対し、首都ナイロビでは、インフォーマルセクターが多く集積するギコンバ市場やカムクンジ、ニャマキマなどを拠点とする輸入商人らが、事業コストの上昇が中小企業経営を圧迫すると主張し、8月下旬には店舗閉鎖や抗議活動を実施した。

こうした状況を受け、ウィリアム・ルト大統領は9月2日に商人団体や関係機関との協議を開催した。共同声明によると、一般混載貨物の課税ベンチマーク引き下げに加え、既製服、履物および繊維製品については現行制度を維持することで合意した。また、貨物取扱事業者(コンソリデーター)および正規輸入業者の登録・審査を2026年11月30日までに完了することとしたほか、輸出前適合性検査(PVoC)の実施や電子貨物追跡システム(Electronic Cargo Tracking System:ECTS)の活用、国家シングルウィンドウ制度や電子インボイスの利用拡大を通じて通関手続きの透明性向上を図るとしている。

(佐藤丈治)

(ケニア)