インドネシア、中国と初の包括的戦略対話開催、防衛分野でも協議
(インドネシア、中国)
ジャカルタ発
2026年09月07日
インドネシア外務省は8月21日、ジャカルタで中国との「インドネシア・中国包括的戦略対話(CSD)」を初めて開催したと発表
した。CSDは2025年4月のスギオノ外相の訪中時に設置が決まった外相級の新たな2国間メカニズムで、中国側は王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長が出席した。
経済・開発分野では、「2022~2026年行動計画」の後継となる「2027~2031年行動計画」について協議することを歓迎し、貿易、エネルギー、鉱物、海洋分野における戦略的メカニズムを活性化させることで合意した。スギオノ外相は貿易・投資の拡大を通じた中国側の継続的な取り組みを評価した上で、貿易円滑化やインドネシアの主力産品の市場アクセス拡大の模索を含め、より良いビジネス環境を整備すると表明した。王毅外交部長は共同記者会見で、インドネシアが中国企業に対して、公正で透明性が高く、事業活動に適したビジネス環境を提供する意向を示した(注)と述べた(8月21日付「リプタン」)。
また、国家の強靭(きょうじん)性を支える関連産業の育成を通じ、食料・エネルギー・鉱物分野の安全保障協力を強化することで一致した。人工知能(AI)を含む先端技術分野での協業拡大でも合意した。
CSDと同日、外相・国防相による「2+2」対話の第2回会合
も開かれた。防衛分野では、インドネシア国軍と中国人民解放軍の軍同士の枠組みと、両国国防省間の会合を強化することで合意した。インドネシアは、地域の経済統合の強化が平和で安定し、繁栄した地域の実現に寄与すると強調した。シャフリ・シャムスディン国防相は会合後、中国からの技術移転を通じ、インドネシアでの弾薬工場の建設やミサイル・ロケット技術の開発に向けた協力を遅くとも2027年に開始することを目指すと述べた。インドネシア側では国営兵器メーカーのPT Pindad(ピンダッド)が参画するとした(8月21日付「RRI」)。
現地シンクタンクのインドネシア経済法律研究センター(CELIOS)は、政治、通商、海洋、安全保障を単一の非公開対話に束ねると、ある分野での譲歩が別の分野での利得によって相殺されても、個別には公表されない可能性があると指摘した(8月25日付「アジア・タイムズ」)。
(注)2026年5月、インドネシアに進出する中国企業で構成される中国商工会議所は、急な規制変更やニッケル採掘割当量の削減など企業が直面するビジネス環境の課題について、プラボウォ・スビアント大統領宛てに書簡を送付していた。
(大滝泰史)
(インドネシア、中国)
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