フィンランド政府、2027年国家予算案を決定

(フィンランド)

ロンドン発

2026年09月11日

フィンランド政府は9月1日、2027年の国家予算案を決定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。総額は925億ユーロとなり、第2次補正予算を含めた2026年の予算額を8億ユーロ上回る。また、政府は2030年までに総額約5億4,000万ユーロの歳出削減を決定し、2027年には総額約3億9,000万ユーロの削減となる見込みだ。

主な提案は次のとおり。

  • 税制:就労と生産性向上の強化に向けて、法人税率を20%から18%へ引き下げる。また、給与所得控除を2億3,000万ユーロ増額し労働課税を軽減。一方で、税収増を図る措置として、酒税およびたばこ税を引き上げる。
  • 交通インフラプロジェクト:主要道路・交差点・航路の拡幅・改良、ヘルシンキ駅の改修などに充てる「有期投資プログラム」の総額を2億ユーロ増額し、総額約47億ユーロとする。
  • 防衛・安全保障:防衛省管轄部門の予算を2026年より6億1,800万ユーロ増額。同予算には防衛装備品の調達に向けた13億ユーロの予算権限を含む。また、国防軍の運営費としては、1億8,600万ユーロの調達権限を充て、ウクライナ支援に向けて2億ユーロを追加配分する。
  • 中央政府の研究開発(R&D):2030年までにR&D予算をGDPの1.2%に引き上げるという公約(注1)を維持。2027年のR&D資金総額は前年比約2億2,000万ユーロ増額の約33億9,000万ユーロで、ビジネス・フィンランドのR&D予算と、フィンランド学術院の研究プロジェクト予算が最大の増額となる。
  • 地域福祉行政区(注2):各福祉行政区に対する資金援助として、前年比約3億6,000万ユーロ増の総額約276億ユーロを充てる。医療・社会福祉サービスの需要の増加分の一部のみを財源算定に反映する措置や、福祉行政区2025年決算を踏まえた予算配分の見直し、利用者負担制度の見直しなどにより財源の伸びを抑える。
  • 地方自治体:基礎的な公共サービスに向けた中央政府から自治体への交付金に前年比約1億1,000万ユーロ減の総額34億ユーロを充てる。雇用支援策の導入などで交付金は増加するが、基礎的社会扶助費の自治体の負担割合の増加や、2027年の国と自治体間の費用分担の見直しなどで、前年より減額。

(注1)官民合わせて、全体で2030年までにGDP比4%を目指しており、その約3分の1に当たる1.2%を政府の目標値としている。

(注2)フィンランドは21の福祉行政区(Wellbeing services counties)に分かれており、区域ごとに医療、社会福祉、および救助サービスの運営を担当する(ヘルシンキ市およびフィンランド領オーランド諸島を除く)。

(バリオ純枝、半井麻美)

(フィンランド)

ビジネス短信 27c88b43c9eafae2