上半期のメキシコ対内直接投資は過去最高に、電子機器分野などが牽引

(メキシコ)

調査部米州課

2026年09月07日

メキシコ経済省外国投資局(DGIE)は8月24日、最新の対内直接投資統計を発表した。それによると、2026年上半期(1~6月)の対内直接投資額(国際収支ベース、フロー)は349億6,800万ドルとなり、前年同期比2.1%増加した。上半期としては過去最高額を更新した。投資額の内訳をみると、利益再投資が88.5%、新規投資が7.8%、親子間勘定が3.7%だった。新規投資は27億2,600万ドルと前年同期比13.4%減少した一方、利益再投資は309億5,700万ドルと7.0%増加しており、既進出企業による事業拡大が引き続き投資を牽引している。

国・地域別では、米国が168億7,100万ドルで全体の48.2%を占め、前年同期比14.7%増となった。次いでスペインが49億5,400万ドル(構成比14.2%)、カナダが17億4,100万ドル(5.0%)、オーストラリアが17億ドル(4.9%)、ドイツが16億4,700万ドル(4.7%)と続いた(添付資料表1参照)。日本は前年同期比10.0%減の13億ドルとなり、順位も前年の4位から6位に低下した。一方、中国は前年同期比で約4倍の5億9,600万ドル、台湾も約10倍の2億3,800万ドルと大きく増加した。台湾からの投資を業種別にみると、電子機器製造業や専門サービスの割合が高く、米国でのサーバー関連部品の需要拡大に呼応した動きとみられる。

産業別にみると、投資額の38.6%を占める製造業が134億8,200万ドルとなり、前年同期比9.3%増加した(添付資料表2参照)。製造業の中では、輸送機器産業が46億9,200万ドルで最大だったが、前年同期比では7.7%減少した。特に自動車・トラック製造は25.7%減となった一方、自動車部品製造は31.2%増となり、同分野の中でも傾向が分かれた。また、情報・通信・計測・電子機器分野は2.9倍の18億100万ドルと大幅に伸びた。そのほか、運輸・郵便・倉庫は3.9倍の26億5,000万ドルと大きな伸びを示していり、天然ガスパイプライン関連の投資が主な要因とみられる。

州別では、メキシコ市が168億6,200万ドルで全体の48.2%を占めたものの、前年同期比では12.7%減少した(添付資料表3参照)。一方、製造業が集積する北部のヌエボレオン州は22.4%増の37億1,200万ドルと好調だった。同州では、イタリア・アルゼンチンの鉄鋼大手テルニウムが新製鋼所の建設を進めているほか、7月には韓国完成車メーカーの起亜が電気自動車(EV)生産に向けた投資を発表している(2026年8月10日記事参照)。そのほか、ハリスコ州は50.7%増、サンルイスポトシ州は6.2倍と大幅な伸びがみられた。他方、日本企業の進出が多いグアナファト州は52.8%減の4億1,100万ドルとなった。

(加藤遥平)

(メキシコ)