英仏加など12カ国がイスラエル入植地への制限措置の方針、イスラエルは対抗措置

(イスラエル、パレスチナ、英国、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、アイスランド、アイルランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン)

テルアビブ発

2026年09月10日

英国、フランス、カナダなど12カ国外相(注1)は9月8日、イスラエルとパレスチナの「二国家解決に関する共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。

声明では、「イスラエル政府によるヨルダン川西岸での入植地拡大や入植者暴力が、イスラエルと将来のパレスチナ国家の平和共存を目指す二国家解決の実現可能性を損なっている」と指摘し、国際法上違法とされる入植地との貿易に対し、各国レベルまたは欧州レベルで制限措置を導入、もしくは検討する方針を表明した。また、英国、フランス、カナダは入植地産品の取引を禁止する国内措置を進めるとした。

声明は、イスラエル政府に対し、入植地拡大の停止や入植者暴力への責任追及を求めるとともに、E1地区開発計画(注2)の入札公示を「容認できない」とした。一方で、パレスチナ自治区のガザを実効支配するイスラム原理主義組織のハマスによる2023年10月7日の攻撃(2023年10月10日記事参照)をあらためて非難し、イスラエルの正当な安全保障上の利益を認める立場も示した。

これに先立ち、英国のエド・ミリバンド外務・英連邦・開発相は9月8日の議会演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、ヨルダン川西岸での入植地拡大やパレスチナ人住民の立ち退きが進み、「二国家解決」が危機にさらされているとの認識を示した。その上で、英国政府として占領自体を「違法」と位置付け、入植地産品の輸入禁止措置の導入や、入植地開発に関与する企業・個人を対象とした制裁措置を講じる方針を表明した。また、「不正義や苦しみを非難するだけでなく行動する新たなアプローチの始まりだ」と述べ、対イスラエル政策の転換を打ち出した。

これに対し、イスラエルのギデオン・サール外相は同日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相との合意の下で、英国の制裁に対する対抗措置を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。イスラエル外務省によると、(1)東エルサレムの英国総領事館閉鎖、(2)国際ガザ支援センターからの英国代表者の除外、(3)ラマッラにおけるパレスチナ自治政府治安部隊訓練活動の終了、(4)英国会議員ら12人のイスラエル入国禁止措置を実施する。

サール外相は声明で、「現在の動きを主導したのは英国だ」と述べたうえで、「英国の動きは道徳的にゆがんでおり、主権国家の内政および選挙プロセスへの露骨な干渉だ」と批判した。また、「統一されたエルサレムはイスラエルの首都であり、その完全な主権下にある」と主張し、英国総領事館閉鎖の正当性を訴えた。さらに、入植地産品への制裁はイスラエル人だけでなく、入植地で働くパレスチナ人労働者にも打撃を与えるとの見方を示した。

イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。

(注1)英国、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、アイスランド、アイルランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン。

(注2)東エルサレムとイスラエルの入植地の間に位置する地域で、イスラエル政府が住宅やインフラ整備を進める計画を有している。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、英国、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、アイスランド、アイルランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン)

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