ミャンマー大統領が就任後初のベトナム訪問、防衛・安全保障協力を関係の柱に
(ミャンマー、ベトナム)
調査部アジア大洋州課
2026年09月10日
ミャンマー親軍政権のミン・アウン・フライン大統領は9月4~6日、トー・ラム・ベトナム共産党書記長兼国家主席の招請を受け、ベトナムを公式訪問した。2026年4月の大統領就任後、ベトナムを訪問するのは初めて(注)。滞在中、ラム書記長、チャン・タイン・マン国会議長、レ・ミン・フン首相とそれぞれ会談した。
両国は1975年5月に外交関係を樹立し、2017年に包括的協力パートナーシップを構築した。2025年に外交関係樹立50周年を迎え、2027年には同パートナーシップ樹立10周年を迎える。今回の訪問では、同パートナーシップをより実質的な段階へ引き上げる方針が示された。
9月5日のラム書記長との会談では、政党、国家、政府、議会、国民交流の各ルートで高官級を含む往来を増やし、政治的信頼と相互理解を強化することで一致した。また、ラム書記長は、国家発展、経済安全保障、持続可能な成長、マクロ経済の安定、政策立案、社会経済運営、国際統合などに関するベトナムの経験を共有する用意があると表明。ミン・アウン・フライン大統領は、ベトナムの発展経験から学びたいとの意向を示した。
防衛・安全保障分野では、2国間関係の重要な柱として協力を発展させることで一致した。訓練、若手将校の交流、捜索救助、災害対応に関する協力を拡大するとともに、越境犯罪、麻薬犯罪、人身取引、ハイテク犯罪、オンライン詐欺への対策で情報交換と連携を強化する。また、自国領内で相手国に不利益を及ぼす活動を行うことを認めないとの立場をあらためて確認した。
地域・国際協力分野では、ASEANやメコン地域の枠組みで連携を強化し、交通インフラの連結性、水資源の持続可能な管理・利用などで協議と経験共有を進めることで一致した。また、ベトナムで開催予定のエーヤーワディ・チャオプラヤ・メコン経済協力戦略(ACMECS)首脳会議では、ミャンマーが議長国としての役割を果たせるよう関係機関が連携することを確認した。
同日、フン首相との会談では、貿易協力合同小委員会、安全保障対話、2国間防衛協力合同作業部会などの主要な協力メカニズムを早期に再開することで一致した。フン首相は、2026年11月にハノイで開催予定のカンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム(CLMV)首脳会議への出席と、ACMECS首脳会議への議長国としての参加を招請した。
今回の訪問に先立つ8月26日には、ベトナムのレ・ホアイ・チュン外相がミャンマーを公式訪問し、ティン・マウン・スエ外相と第10回2国間協力合同委員会会合の共同議長を務めた。両者は、第11回合同貿易小委員会を早期に開催し、輸入許可、検疫、品質基準、通関手続きなどの課題に対応しながら、2国間貿易額10億ドルの早期達成を目指すことで一致した。またチュン外相はミン・アウン・フライン大統領を表敬し、トー・ラム国家主席からのベトナム公式訪問の招請を伝達していた。
(注)ミン・アウン・フライン大統領就任後の公式訪問国は、インド(5月31日~6月4日)、中国(6月15~19日)、ラオス(7月3~5日)、タイ(8月6~7日)、ロシア(8月17~19日)、ベラルーシ(8月20~21日)で、ベトナム(9月4~6日)が7カ国目、ASEAN加盟国では3カ国目となる。
(アジア大洋州課)
(ミャンマー、ベトナム)
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