イラク中部の火力発電所計画が前進、キャピタル・インベストメンツが10億ドルの資金調達契約とりまとめを発表

(イラク、ヨルダン、中国)

ドバイ発

2026年08月18日

イラク中部カルバラー県で計画されているアル・ハイラート火力発電所で、長年の課題だった資金調達が前進した。ヨルダンを拠点にイラクでも銀行事業を展開するキャピタル・バンク・グループ(Capital Bank Group)傘下の投資銀行キャピタル・インベストメンツ(Capital Investments)は8月10日、第1期の必要資金の大部分を賄う10億ドルの資金調達契約について、調達の枠組みを設計し、金融機関など関係者との調整を主導して契約を取りまとめたと発表した。同発電所は総出力2,800メガワット(MW)を計画し、このうち第1期の発電能力は1,400MWとなる。稼働期間は25年から40年を見込む。プロジェクトには約125キロメートルの送電線の敷設に加えて、10万~15万台のスマートメーター整備も計画している。

同計画はカルバラー製油所で生じる高硫黄重油を発電燃料として活用し、製油所の安定操業と電力供給の双方につなげる構想だ。2020年7月、韓国・現代グループを中心としたコンソーシアムに発注することが閣僚会議で承認されたが、必要資金を確保できず、同年9月に発注を取り消した。その後、イラクのエネルギー・インフラ企業ハーロウ・グループ(Harlow Group)を事業主体とする投資案件に組み替えられ、中国の中国中信集団(CITIC)が建設を担う体制となった。ハーロウはプロジェクトの着工開始から運用開始まで48カ月を見込んでいる。

これまで、資金確保が難航した経緯がある。政府は2024年4月、第1期(1,400MW)向けに上限30億ドル、期間15年の債務保証を承認し、資金調達完了を同年末に設定した。25年間の電力購入契約終了後に発電所を電力省へ移管することも条件に盛り込まれた。2025年5月、ムハンマド・シヤーウ・スーダーニー首相(当時)はハーロウとCITICに対し、3カ月以内に事業の停滞を解消するよう要求し、電力省の関係部局に対しては資金問題の解決に向けた協議を行うよう指示していた。

今回の10億ドル契約は、長期停滞案件の資金調達が一段階進んだことを示す。ただし、キャピタル・インベストメンツの発表では、資金調達完了や融資実行、本格工事の開始までは確認できない。今後は、融資実行と建設工程の進展が焦点となる。

(大野晃三)

(イラク、ヨルダン、中国)

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