中国本土企業の香港上場、2026年1~7月のIPO調達額が2025年通年超え

(中国、香港)

調査部中国北アジア課

2026年08月17日

香港証券取引所(HKEX)の新規上場情報(7月31日時点)を基にジェトロが集計したところ、2026年1~7月にHKEXに新規上場した中国本土企業は94社(注1)だった。2025年通年実績の76社を大幅に上回った。

また、同期における中国本土企業によるHKEXでの新規株式公開(IPO)調達総額は3,249億香港ドル(約6兆4,980億円、1香港ドル=約20円、注2)となり、2025年通年の同調達総額2,440億香港ドルを上回った。

IPO調達額が大きかった主な企業(添付資料表参照)としては、光通信モジュール大手の中際旭創(調達額:534億香港ドル)、電子・精密部品大手の立訊精密工業(ラックスシェア、243億香港ドル)、プリント基板(PCB)大手の勝宏科技(ビクトリージャイアント、201億香港ドル)などがあった。このほか、瀾起科技(モンタージュ・テクノロジー)、合肥晶合集成電路、上海壁仞科技(ビレン・テクノロジー)など半導体関連企業の上場も目立った。

新規上場した中国本土企業の時価総額(2026年7月31日時点)の平均値と中央値の推移をみると、平均値は2024年通年の82億香港ドル、2025年通年の84億香港ドルから2026年1~7月には139億香港ドルに上昇した。中央値も2024年通年の16億香港ドルから2025年通年には33億香港ドル、2026年1~7月には69億香港ドルと、大幅に増加した。

2025年以降は、寧徳時代新能源科技(CATL)、奇瑞汽車、江蘇恒瑞医薬、三一重工をはじめ、電池、新エネルギー車(NEV)、医薬、機械など、中国本土企業の存在感が高まる産業分野に中大型案件の裾野が拡大。A株市場に上場済みの中国本土企業による香港での重複上場も本格化した。2026年1~7月には、人工知能(AI)、半導体、光通信など先端技術・製造関連分野の企業による香港重複上場が相次ぎ、平均値、中央値とも大幅に上昇した。

また、2025年ごろから香港株式市場で調達した資金を海外事業に活用する動きも目立っている。2026年1~7月に上場した企業では、既出の中際旭創は海外でタイに製造拠点を有しており、香港での調達資金の一部を海外も含むグローバル生産能力の拡大に充てるとしている。また、洋上風力発電設備製造の大金重工、精密部品製造の広東領益智造、3Dプリンター製造の深セン市創想三維科技、リチウムイオン電池材料の深セン市星源材質科技なども、一部を海外事業に活用する方針を示している。

(注1)内訳はメインボード93社、GEM(Growth Enterprise Market)1社。2025年通年の内訳はメインボード76社。なお、メインボードは一定の事業実績や財務要件を満たした企業が上場する市場でHKEXの主要市場。GEMは主に高成長・新興企業向け市場を指す。

(注2)本稿で記載した調達総額および時価総額(その中央値、平均値を含む)はメインボードのみ。

(小林伶)

(中国、香港)

ビジネス短信 feb042d5cac4d3d5