チリ、ベネズエラとの領事関係を再開、移民・治安分野での協力基盤を整備
(チリ、ベネズエラ)
サンティアゴ発
2026年08月04日
チリ政府は7月31日、ベネズエラとの領事関係を再開し、両国関係正常化に向けた取り組みを開始すると発表
した。両国は2024年に外交関係が悪化して以降、領事業務に支障が生じていたが、今回の合意により、まずは両国民に対する領事サービスの再開を図る。チリ政府は、治安、移民、経済発展を両国の共通課題として挙げている。
チリ大統領府によると、ホセ・アントニオ・カスト大統領は今回の合意について、「チリとベネズエラは新たな段階に入る」と述べ、外務省による交渉の成果を評価した。また、今後は相互尊重や国際法の順守を前提に、関係正常化を段階的に進める方針を示した。
今回の措置は、両国に居住する自国民向けの領事サービス再開を主な目的としている。チリ外務省によると、チリには約70万人のベネズエラ人が居住しており、ベネズエラには約2万5,000人のチリ人が居住している。領事関係の縮小により各種行政手続きに支障が生じていたが、今回の合意により、両国民向けの領事サービスは段階的に正常化される見込みだ。
チリ政府は今回の合意を、こうした共通課題への対応を進める第一歩と位置付けている。カスト政権は発足以来、国境管理強化や国際的な犯罪組織への対応を重点政策に掲げており、領事関係の再開は、これらの課題への対応に向けた協力の基盤ともなる。
なお、現時点では外交関係の全面的回復や新たな経済協力協定の締結が決まっていない。まずは領事分野での協力を再開し、その後の進展については今後の協議に委ねられる見通しだ。
ベネズエラは2026年7月以降、チリのほか、7月24日にペルー、8月2日にドミニカ共和国との間で相次いで領事・外交関係の正常化プロセスを開始している。3カ国はいずれも、2024年のベネズエラ大統領選挙を巡る対立を受けて、外交関係を大幅に縮小した7カ国に含まれる。今回の合意は、こうした国々との外交・領事関係の再構築に向けた動きの一環と位置付けられる。
(高橋英行)
(チリ、ベネズエラ)
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