中国、県管轄区域の消費活性化に向けた支援策を発表、内需拡大を後押し

(中国)

北京発

2026年08月21日

中国の商務部と国家発展改革委員会など9部門は8月13日、「『下沈市場』(注1)の活力をさらに引き出し、県域消費を活性化するための意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した(商務部ウェブサイト掲載は8月18日)。同意見では、「下沈市場」を内需拡大の重要な担い手と位置付け、その主要な構成部分である「県域」(県が管轄する区域、注2)の消費活性化を図るとした。

意見では、(1)県域における消費チャネルの整備支援、(2)商業業態の革新とブランド育成、(3)商品・サービス供給の拡充、(4)流通の現代化、(5)雇用や所得向上を通じた消費能力の向上の5分野について具体的な取り組みが盛り込まれた。

(1)では、老朽化した商業施設の改修や、郷鎮商業センター、郷鎮の特色ある定期市「大集」などの整備を支援するほか、ブランドチェーン店やディスカウントストアの適正配置を進める。また、大型商業施設の計画的な配置や、地域において初出店となる国内外ブランドの誘致を促進する。さらに、高齢者介護や託児サービス分野における既存の建物・土地の有効活用、遊休国有資産の商業施設への転用を支援するとともに、遊休農家住宅を活用した新たな産業・業態の育成を奨励するとした。

(2)では、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの出店手続きの簡素化や「一証多拠点」制度(注3)の推進を通じて、チェーン小売事業者による県域での事業展開を促進する。また、地元老舗ブランドの育成や中国ブランド商品の県域市場への浸透促進を支援するほか、条件を満たす地域においては、VR・没入型体験、「人工知能(AI)+消費」、中古品取引、レンタルサービスなど、新たな消費業態の発展を奨励するとした。

(3)では、高品質な商品の供給拡大や、県域消費のニーズに即した高品質な商品の開発を奨励するほか、新エネルギー車(NEV)やグリーン・スマート製品、グリーン建材の農村市場への普及を支援する。また、高齢者施設や託児施設の整備を支援するとともに、地域文化を活かした農村観光地の整備や、ヘルスケア、文化観光、農業、民俗、歴史文化を融合した体験型消費の創出を促進するとした。

このほか、流通インフラの整備や雇用・起業支援を通じた所得向上により、県域における潜在的な消費需要の喚起を促進するとした。

なお、国家統計局の発表によると、2026年1~7月の社会消費品小売総額は前年同期比1.2%増となった。内訳をみると、農村部の小売総額は同2.4%増となり、都市部(1.1%増)を上回った。

(注1)中国経済の新たなマーケットとして近年、注目を浴びつつある中国の三線都市以下の地方都市および農村地域を指す。

(注2)中国の行政区分は、省級、地級、県級、郷級の4つの階層で構成される。「県域」は県を構成する郷級(郷、鎮、村)区域を総称した概念。

(注3)「一証多拠点」とは、1つの営業許可証に複数の営業拠点を登録し運営することを可能とする制度であり、事業者の出店拡大や経営効率の向上を促進するものである。

(張敏)

(中国)

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