食品添加物などに関わる省令を14年ぶりに刷新、使用基準の確認が必要
(メキシコ)
調査部米州課
2026年08月26日
メキシコ保健省は8月21日、食品、飲料、サプリメントに使用できる添加物と加工助剤(注1)および同衛生要件を定める省令を連邦官報で公布した。公布後60営業日で発効し、2012年に公布された省令と2013年、2016年の改正を廃止する。
新省令は、従来と同じ11の付属書(注2)の構成を維持しつつ、連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)が官報未掲載のままウェブサイトで逐次公表してきた新規物質や用途拡大を統合した。単なる一本化にとどまらず、許可用途、食品カテゴリー、最大使用量、表示、申請手続きも見直した。
許容1日摂取量(ADI、注3)が設定された一般添加物、着色料、甘味料について、付属書に記載のない食品への使用を希望する場合は、使用量を含めCOFEPRISの事前評価を受ける必要がある。申請者は国際食品規格委員会(CODEX)、米国、カナダ、EUそれぞれの規制状況とともに、既存用途を含む累積暴露評価(注4)やメキシコ人の食品摂取データを提出する。また、一部保存料では上限が引き下げられ、例えば非アルコール香味飲料の安息香酸・安息香酸塩は1リットル当たり600ミリグラム(mg)から同250mgとなった。
着色料の管理も強化した。従来、適正製造規範(GMP)に基づき使用できた一部着色料に数値上限を設定し、該当製品には公布から24カ月の対応期間を設けた。食用金箔(きんぱく)、銀箔(ぎんぱく)などに用いられる金、銀、アルミニウムを用いた装飾用の金属色素は新リストに収載されていない。発効後6カ月以内に利害関係者から収載申請がなければ、その後18カ月以内に製品処方から除去する必要がある。旧省令に基づき、付属書に記載のない食品に添加物を使用してきた事業者は、公布後12カ月以内にCOFEPRISの審査を受ける必要がある。不承認の場合は、決定から24カ月以内に製品を再処方する。
現地食品規制コンサルタント会社のリラ・コンスルトーレス(Lyra Consultores)は、メーカーと輸入者に対し、今回公布された新省令を踏まえ、原材料、使用量、用途制限、同義語、表示への影響を製品ごとに確認するよう促している(同社リンクトイン・アカウントの2026年8月24日付解説)。食品安全コンサルタントのフェリペ・トレホ氏も、対象となる添加物や製品によって適用期限が異なるため、各付属書と経過措置を確認し、その影響を製品ごとに判断した上で、必要な処方変更や表示改訂を進めるべきだと指摘している(同氏リンクトイン2026年8月21日付投稿)。
今後の更新にも留意
収載添加物に変更があった付属書は3カ月ごとにCOFEPRISのウェブサイトで更新され、省令は6カ月ごとに連邦官報で公布される。更新状況はCOFEPRISの「食品添加物」ページ
で確認できる。なお、同ページは8月25日時点では旧省令に基づく内容で、今後更新される見込み。メキシコに食品を輸出する日本企業関係者も、添加物、食品カテゴリー、使用量、表示、移行期限を製品ごとに点検する必要がある。
(注1)食品の加工の際に使用されるが、(1)完成前に除去されるもの、(2)その食品に通常含まれる成分に変えられ、その量を明らかに増加させるものではないもの、(3)食品に含まれる量が少なく、その成分による影響を食品に及ぼさないもの。
(注2)次の11の付属書からなる。
- 付属書I:許容1日摂取量(ADI)が設定された一般添加物(保存料、乳化剤、酸化防止剤など)
- 付属書II:適正製造規範(GMP)に基づき使用できる一般添加物
- 付属書III:ADIが設定された着色料
- 付属書IV:GMPに基づき使用できる着色料
- 付属書V:チューインガム用精製物質
- 付属書VI:酵素
- 付属書VII:ADIが設定された甘味料
- 付属書VIII:GMPに基づき使用できる甘味料
- 付属書IX:乳児用調製乳、フォローアップ調製乳および特別栄養用途向け調製乳に使用できる添加物
- 付属書X:加工助剤
- 付属書XI:香料
(注3)人が生涯にわたり毎日摂取しても健康への悪影響がないと推定される、体重1キログラム当たりの1日摂取量。食品ごとの添加物の最大使用量とは異なる。
(注4)同じ毒性作用機序を持つ複数の化学物質(残留農薬や食品添加物など)を同時に、または継続して摂取した際の合計の体内取り込み量(暴露量)を評価する手法。
(中畑貴雄)
(メキシコ)
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