米カリフォルニア州バークレーで日本の学生起業家育成プログラム実施、事業仮説を検証
(米国、日本)
サンフランシスコ発
2026年08月28日
ジェトロは8月、選抜した日本の学生起業家19人(注1)を対象に、米国カリフォルニア州で3週間の起業家育成プログラムを実施した。参加者は、カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院(Berkeley Haas、以下バークレー・ハース)を拠点に、起業家教育やイノベーション研究などを行うインスティテュート・フォー・ビジネス・イノベーション(IBI:Institute for Business Innovation)の支援を受け、潜在顧客への聞き取りを通じて事業仮説を磨いた。最終日には成果発表が行われた。
デモデーの様子(ジェトロ撮影)
参加者のKLダイナミクス
最高経営責任者(CEO)の柳健大氏は、化学プラントなどで、設備の立ち上げ時や異常発生時に人工知能(AI)が設備制御や意思決定を支援するフィジカルAIの基盤技術を開発する。柳氏は成果報告会で、米国の製造業関係者への聞き取りを通じ、工場単位で導入の意思決定が行われるケースがあることや、技術性能だけでなく設備の停止時間をどれだけ減らせるかといった具体的な価値を示す必要があることに気付いたと説明した。こうした検証を通じ、米国市場での顧客像や訴求方法を具体化した。
最年少で参加したインパクトドロップ
(ImpactDrop)代表取締役の堤悠人氏は、高校在学中に起業し、マイボトルへの給水などの環境配慮行動を記録し、企業などの寄付につなげるサービスを開発する。渡米中は、バークレーやオークランドなど大学周辺地域の自治体、交通機関、オフィス運営事業者、リユース関連企業などに自ら接触。環境施策の利用実績の把握や、個人単位で行動を可視化する際のプライバシー上の課題など、現地で得た気付きを発表した。
バークレーでの講義の様子(ジェトロ撮影)
プログラム設計を担当したバークレー・ハースの講師でIBIディレクターのジョン・メッツラー氏は、「渡米前の仮説にこだわらず、顧客や関係者への聞き取りを通じて潜在顧客を見極め、限られた時間や資金で市場参入戦略を磨くことが、リーン・スタートアップ(注2)の基本だ。参加者は渡米前から顧客検証に取り組み、滞在中もプログラムの講師やメンターを積極的に活用した」と総括した。
(注1)19人の起業: Researchin
、ひとより
、遙
、衝動
、KL ダイナミクス
、ImpactDrop
、バイトの救急車バイキュー、GIVELOVE
、MASIRO
、AllClip
、U-Rec
、KyotoAI
、artkake
、コハクト
、ココリーチ
、日本予防医療開発研究所
、Henry
、カピットファンド
、Bulk Technologies(順不同)
(注2)起業家エリック・リース氏が著書「The Lean Startup
」で体系化した起業手法。顧客への聞き取りなどを通じて事業仮説を検証し、結果を踏まえて製品や事業モデルを素早く修正していくこと。
(武田史織)
(米国、日本)
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