S&P、ナイジェリア格付け会社アグスト&カンパニーの過半数株式取得で合意と発表
(ナイジェリア、米国)
ラゴス発
2026年08月03日
米国の信用格付け大手S&Pグローバル・レーティング(以下、S&P)は7月28日、ナイジェリアを代表する格付け会社アグスト&カンパニーの過半数の株式を取得することで合意したと発表した。アグスト&カンパニーはナイジェリアのほか、ケニア、ガーナ、ルワンダでも事業を展開する汎(はん)アフリカ格付け会社であり、銀行、保険会社、一般企業、投資ファンド、債券発行体など幅広い主体に対して信用格付けを提供している。
S&Pによると、今回の取引はアフリカにおける格付け事業の強化を目的とした戦略的投資であるとしている。S&Pのヤン・ル・パレック社長は、アグスト&カンパニーが有するアフリカ市場への深い理解と、S&Pの国際的な格付けノウハウやネットワークを組み合わせることで、地域の信用市場の透明性向上や投資家の信頼強化につなげたいとの考えを示した。また、アフリカの国内信用市場の発展を支援し、地域内外の投資家による市場参加を促進することへの期待を表明した。
一方、アグスト&カンパニーのマネージング・ディレクターのインカ・アデレカン氏は、今回の取引を「アグスト&カンパニーおよびアフリカ資本市場にとって画期的な節目」と位置付けた。同氏は、故創業者が掲げていた世界有数の格付け会社との提携という長年の構想が実現したと述べるとともに、30年以上にわたり培ってきたアフリカ市場に関する専門知識と独立した分析力を維持しながら、S&Pの専門性やリソースを活用することで、市場参加者への価値向上とアフリカの信用市場の発展に貢献したいとの考えを示した。
本件は、関係規制当局の承認など通常のクロージング条件を満たすことが前提であり、2026年下半期中の完了が見込まれている。取引金額は公表されていない。また、S&Pは本件による同社業績への影響は限定的としている。ただし、規制当局の承認取得などを条件としていることから、取引が計画どおり成立しない可能性も残されている。
アグスト&カンパニーは、今回の取引完了後も、独立した格付け会社として存続し、従来どおり独自の格付けおよび格付け手法を維持すると説明している。
今回の取引は、世界最大級の格付け会社とアフリカ有力格付け会社の連携として注目される。今後、アグスト&カンパニーの地域密着型の分析力とS&Pの国際的なブランドを生かし、ナイジェリアをはじめとするアフリカ諸国の債券市場や資本市場の信頼性向上、さらには海外投資家の参入促進につながることが期待されている。
(奥貴史)
(ナイジェリア、米国)
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