バングラデシュで海外のデジタル決済が一部可能に、中銀が新ガイドラインを発表

(バングラデシュ)

ダッカ発

2026年08月12日

バングラデシュ銀行(中央銀行)は7月29日、市中銀行が海外のデジタル決済事業者と連携し、海外へのオンライン決済を行えるようにする新たなガイドラインを発表した。

デジタルウォレット「デジタルバリューアカウント(DVA)」の導入が、本ガイドラインの要となる。バングラデシュではこれまで、銀行窓口を経由したITサービス利用料などの海外送金は許可されていたものの、ペイパル(PayPal)など海外のデジタル決済サービスを使った直接の支払いは許可されていなかった。今回のガイドラインにより、ユーザーは一定の限度額内であれば、自身のDVAを通じてオンライン決済できるようになる。

これにより、バングラデシュに進出する日系企業には、主に2つの実務的なメリットが期待できる。1つ目は、海外ソフトウエアやクラウドサービス調達の簡素化だ。バングラデシュに販売代理店が存在しない海外のITツールやサブスクリプションを直接購入する場合、これまでは少額でも銀行窓口で書類を提出して都度送金審査を受ける必要があり、非常に煩雑だった。今後はDVAを通じ、手軽にオンライン決済が可能となる。

2つ目は、輸出企業で役員を務める駐在員の経費立て替え負担の軽減だ。新ガイドラインでは、外貨を保有する「輸出留保割当(ERQ)口座」を持つ適格企業に限り、役員(最大3人まで)が経費の支払いにDVAを利用できるようになる。該当する駐在員が海外出張時にホテル代などを支払う際、個人による立て替え負担や精算業務の軽減が期待される。

なお、市中銀行が海外の決済事業者と連携しサービスを提供するためには、中央銀行から事前承認を得る必要がある。また、企業間の大型決済はDVAの対象外であり、従来どおり銀行経由の手続きが必要となる。今後、実際にサービスを開始する市中銀行や連携する決済事業者の動向に注目が集まる。

(新居大介)

(バングラデシュ)

ビジネス短信 d03dbe91af6a7ce6