キリンHD、シンガポール拠点にヘルスサイエンス事業拡大へ

(シンガポール)

シンガポール発

2026年08月20日

キリンホールディングス(HD)は、独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した飲料をシンガポールで販売する。これを皮切りに、東南アジアでヘルスサイエンス事業を本格化する方針だ。キリンHDシンガポールの西谷昇平カントリーマネジャーが8月12日、ジェトロとのインタビューで述べた。

キリンHDは7月20日からシンガポールで、プラズマ乳酸菌を配合した飲料「KIRIN IMMUSE Yoghurt Flavour」の販売を開始した。プラズマ乳酸菌は、同社が長年にわたる「免疫」に関する研究を通じて発見した独自素材だ。2020年8月に日本で初めて、免疫機能に関する機能性表示食品として消費者庁に届け出が受理された。日本では2012年からプラズマ乳酸菌入りの飲料を販売している。海外での飲料展開は、ベトナム、台湾に次いでシンガポールが3カ国・地域目となる。

西谷カントリーマネジャーは、「プラズマ乳酸菌は将来のさまざまな健康課題に備えて、人々の免疫機能を維持する発想から研究が始まった」と述べた。その上で、「東南アジアの事業展開は研究開発当初からの目標の1つであり、シンガポールはその足掛かりになる」と語った。また、串田高歩ゼネラルマネジャーはシンガポールについて、「多様な人種やマーケットの受容性、健康意識の高さなどから、先行マーケットとして最適」だと強調した。シンガポールでは現在、地場医療サービス会社フラートン・ヘルス(Fullerton Health)の電子商取引(EC)プラットフォームを通じて販売を始めている。今後は東南アジアにおいて販売先を順次拡大していく計画だ。

キリンHDは2023年8月、オーストラリア大手健康食品会社ブラックモアズ(Blackmores)の株式100%を取得して完全子会社化した。2024年9月には、ファンケル(本社:神奈川県横浜市)を子会社化。さらに2026年8月には、カナダ最大級のサプリメントメーカーであるジェイミソン・ウェルネス(Jamieson Wellness)と株式取得に向けた契約を締結し、北米市場への本格進出を発表した。ヘルスサイエンス事業を酒類や医薬品に続く成長の柱として位置付け、アジア太平洋地域に加え北米でも事業基盤を拡大し、グローバル展開を加速する方針だ。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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