広東省、消費者保護の条例・規定を10月1日に施行
(中国、香港、マカオ)
広州発
2026年08月13日
中国広東省人民代表大会常務委員会は7月31日、「広東省消費者権益保護条例
」(以下、条例)と「広東省粤港澳大湾区消費者権益保護協力促進規定
」(以下、規定)を可決した。いずれも10月1日に施行される。
条例は、デジタル消費の拡大や、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)における消費者保護協力の推進などを踏まえ、消費者の権利、事業者の義務、消費者保護・救済の制度などを定めた。
ネット取引分野では、消費者が知らないうちに、支払い意思や消費傾向などの情報を基に、同等の取引条件にある同一の商品・サービスに異なる価格や料金を設定する、いわゆる「ビッグデータによる差別的価格設定」を禁止した。虚偽または誤認を招く宣伝も禁止し、電子商取引(EC)プラットフォーム事業者の責任を明確化したほか、自動継続課金や会員サービスに関するルールを定めた。個人情報についても、事業者に適法な収集・利用・保護を義務付け、包括的な一括同意やデフォルト設定などにより、事業活動と直接関係のない情報の収集・利用への同意を強制することを禁止した。
さらに、高齢者向けの保健商品などの販売では、効能の虚偽・誇大宣伝を禁止し、未成年者に対しては、心身の健康を害する情報や広告の掲載・放送・掲示・配布を禁止した。生活消費分野における前払い式サービスでは、前払い金残高や取引履歴を確認できる手段の提供を事業者に義務付けた。また、前払い式で商品・サービスを提供する事業者が営業停止またはサービス提供場所を移転する場合、30日前までに消費者へ通知するよう求めた。消費者紛争については、苦情・通報の処理手続きや公益訴訟に関するルールを定めた。
一方、規定は、異なる法域にまたがる広東省、香港、マカオ間の消費者保護協力を対象とする。広東省市場監督管理局が8月3日に公表した解説によると、規定は、異なる法域間の消費者保護協力を定めた中国初の地方立法であるという。広東省および粤港澳大湾区を構成する中国本土側9都市(注)の消費者委員会と、香港消費者委員会、マカオ消費者委員会との恒常的な連携・協力体制を構築し、越境消費に関する苦情処理や情報共有を強化するほか、苦情案件の転送プラットフォームの整備・改善を進める。
条例、規定はいずれも広東省の地方性法規で、法的効力は同等だが、重点分野は異なる。条例は、広東省全域を対象とする一方、規定は、粤港澳大湾区を構成する中国本土側9都市を対象とし、越境消費者保護協力に重点を置いている(「南方網」8月3日)。
(注)広東省広州市、深セン市、珠海市、仏山市、恵州市、東莞市、中山市、江門市、肇慶市。「珠江デルタ9都市」とも呼ばれる。
(梁梓園)
(中国、香港、マカオ)
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