メルツ首相、政権・党運営体制を再編、CDU/CSU会派代表、首相府長官、保健相、交通相が交代
(ドイツ)
ベルリン発
2026年08月05日
ドイツのフリードリヒ・メルツ首相〔キリスト教民主同盟(CDU)〕は7月24日、新たな内閣・党内人事を発表した(プレスリリース
、ドイツ語)。ニーナ・ワーケン保健相は首相府長官に、CDU事務局長を務めていたカーステン・リンネマン氏は保健相に就任する。トロステン・フライ首相府長官は7月29日の会派特別会議でCDU/CSU(キリスト教社会同盟)会派代表に選出された。メルツ首相は、今回の人事について「改革政権」としての取り組みを加速させるための体制強化との考えを示した。
今回の人事刷新は、7月18日にイェンス・シュパーン氏がCDU/CSU会派代表を辞任したことを受けて実施された。7月15日に「ビルト」紙は、同氏が米国で代理母出産により子供をもうけたことを報じていた。ドイツでは代理母出産が全面的に禁じられており、「フランクフルター・アルゲマイネ」紙(7月20日)は、一連の報道を受け、党内で党方針との整合性や、本件に関する同氏による情報共有の在り方を巡る議論が広がったと報じた。
シュパーン氏の後任となるCDU/CSU会派代表には、首相府長官のフライ氏が就任する予定。首相府長官には、現保健相のワーケン氏が初の女性として就任する。保健相の後任にはリンネマン氏が就き、ワーケン氏が進めてきた公的医療保険・介護保険改革などの社会保障分野の構造改革を引き継ぐ。メルツ首相は会見で、ワーケン氏について「改革を抵抗の中でも実行する能力を示した」と評価したほか、リンネマン氏については、連立交渉で医療分野を担当した経験を踏まえ、改革推進への期待を示した。
一方、「シュピーゲル」誌(7月24日、27日)など複数のメディアは、今回の内閣改造では交通相の交代も予定されていたが、公表が見送られたと報じた。報道によると、後任候補だったCDUのフリッツ・ギュンツラー連邦議会議員が、一度は就任を受諾したものの、その後、交通政策分野での専門性不足を理由に辞退したためという。一連の経緯を受け、党内からはメルツ首相の人事手法を批判する声が上がったと報じられている。
7月26日には、連邦議会議員のシュテッフェン・ビルガー氏を交通相候補として指名する方針が連邦政府から正式に発表された(プレスリリース
、ドイツ語)。同氏は連邦議会交通委員会の委員や交通省政務次官を歴任しており、交通政策と省運営の経験を備えた人材と評価されているという(公共放送ARD「ターゲスシャウ」7月26日)。
(打越花子)
(ドイツ)
ビジネス短信 ca3fa76f4a5567c6





閉じる