スリランカ、国際金融協会(IIF)評価で新興57カ国中4位の改善幅、S&Pは安定的見通し維持

(スリランカ)

コロンボ発

2026年08月06日

国際金融協会(IIF)が2026年7月に公表した「Investor Relations and Debt Transparency Report(投資家向け広報および債務透明性報告書)」によると、スリランカは2026年のIRおよび債務透明性の前年からの改善度で、新興市場・発展途上国57カ国中4位となった。一方、S&Pグローバル・レーティング(以下、S&P)は7月27日、同国の長期および短期ソブリン格付け「CCC+/C」を据え置き、見通しを「安定的(Stable)」とした。併せて、外国為替規制リスク評価(Transfer and Convertibility Assessment)を「CCC+」から「B-」へ引き上げた。

IIFは、スリランカを2026年の「Fast Movers(改善が著しい国)」の1つとして評価した。同国のIRスコアは2025年の37.33点(50点満点)から2026年には43.67点へ上昇し、前年比6.3ポイント改善した。改善幅は、ベトナム(10.9ポイント)、ベリーズ(8.2ポイント)、モザンビーク(6.4ポイント)に次ぐ4番目の大きさとなった。

報告書は、IRや情報開示の充実が投資家との対話や信頼の向上に重要な役割を果たすと指摘している。また、財政、債務、政策に関する情報を適時かつ分かりやすく開示することで、投資家はリスクをより適切に評価できるようになり、市場アクセスの改善にもつながるとしている。

また、S&Pはスリランカ経済について、複数の外部ショックに直面しながらも回復力を維持していると評価した。実質GDP成長率については、2026年は3.8%と減速するが、2027年は4.2%に回復すると予測した。IMFの支援プログラムの下で進められている構造改革や公的資金支援の継続に加え、税収の増加や経済活動の回復が成長を支える要因になるとしている。一方で、高水準の公的債務やエネルギー価格上昇への脆弱(ぜいじゃく)性に加え、中東情勢の不安定化による観光収入や海外労働者送金への影響をリスク要因として挙げた。これらの要因は、外貨準備高の積み増しや対外収支の改善を遅らせる可能性があると指摘している。

今回のIIFおよびS&Pによる評価は、スリランカが経済危機後の財政再建や債務再編を進める中で、国際金融市場での信認回復を着実に進めていることを示す内容となった。他方、S&Pは高水準の公的債務や中東情勢の影響を引き続き注視しており、今後の経済・財政運営の動向が注目される。

(ラクナー・ワーサラゲー、志鎌大介)

(スリランカ)

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